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2021 Fiscal Year Research-status Report

Their Bloody Projects: Violence and Identity in Fiction by Muriel Spark and Other Writers

Research Project

Project/Area Number 18K00411
Research InstitutionGakushuin Women's College

Principal Investigator

澤田 知香子  学習院女子大学, 国際文化交流学部, 教授 (00456493)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2023-03-31
Keywordsミュリエル・スパーク研究 / 現代女性作家 / 現代カナダ小説 / 女性とバイオレンス / 女性と身体 / home
Outline of Annual Research Achievements

1)前年度から引き続き一次資料及び二次資料の調査を行った。今年度については主軸であるミュリエル・スパーク研究において、「女性のバイオレンス」及び「女性の身体」のテーマで同時代の作家ドリス・レッシングによる小説群との比較考察を改めて進めてきた。また、研究の視野を広げるためここ数年、特に注目してきたカナダ文学研究の領域において、同様のテーマを中心にマーガレット・アトウッドの主要な小説と評論・エッセイの分析を進めた。
2)社会状況及び新しい所属機関に移動したことにより研究状況・環境が変わり、研究計画を立て直していたところ、現代イギリス作家シリーズの刊行企画(三修社)でミュリエル・スパークの巻執筆の依頼があった。これにより、上記(1)で挙げたテーマを中心とした本研究課題と並行し、それにも資するような形でこれまでの研究成果のレビューを行ってきた。
3)「女性の身体」のテーマと関連し、近年の文学研究においても頻繁に取り上げられる「老い」のテーマについて考察を進めた。シモーヌ・ド・ボーヴォワールの大著『老い』やスパークの『メメント・モリ』の読み直しをはじめ、2014年出版のアトウッドの短編集『ストーン・マットレス』などを参照し、「老い」を語ることに注目しつつ分析・検討を行い、論文執筆の準備を進めた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

コロナ禍での公私における変化による困難には対応できるようになってきたが、研究活動における制限は前年度とほとんど変化がない。定期的に行ってきたスコットランド国立図書館でのアーカイブ調査や現地での取材・情報収集などが行えなかったこと、慣れない環境での日常的な教育・運営業務の負担増により生産性が低下したことは否めないため、また、本の執筆依頼により研究成果発表に向けた準備期間を長期に組み直す必要が生じたため、「やや遅れている」とした。

Strategy for Future Research Activity

「概要」で述べたように、本研究課題における主たる対象であるミュリエル・スパークを取り上げた学術書の執筆依頼により、研究成果発表計画については当初より長期的なものへとスケジュールを立て直した。今後、これまでの研究のレビューを迅速に行いつつ、本研究課題テーマにおける考察を進める。これと関わり、今年度中にスコットランドでの研究調査再開が可能となることを視野に入れ、調査対象となる資料の選定をアップデートしておく予定である。
本研究主題においては、グローバル化する世界における土地("home")といったテーマと関連づけた考察も行っており、日本人研究者としての視座をこれまで以上に意識した分析に注力していくことを考えている。これについては、(藤野可織氏[2013年度芥川賞受賞作家]など)日本の女性作家への取材等の研究活動を計画しているところである。

Causes of Carryover

前年度、コロナ禍の社会状況により継続的研究活動としての海外でのアーカイブ調査や取材活動が行えなかったため、今年度に再開する必要があった。しかしながら、見通しが立たない社会状況は続き、次年度への繰越が可能という情報を受けた時点で制限された環境でも可能な研究活動に絞ったため、当初の予算執行ができなかった。現時点、次年度における海外出張等が認められつつある状況となってきているので、今年度に計画していた研究活動実施のために使用する予定である。その場合も、実施時期との兼ね合いなどで活動を幾分縮小せざるを得ない可能性を考慮し、1)国内における取材調査活動のための旅費や謝金と2)古くなってしまった本研究用機器の購入のための物品費支出を予定している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 「スパークを探して」2021

    • Author(s)
      澤田知香子
    • Organizer
      学習院女子大学学会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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