2018 Fiscal Year Research-status Report
ディケンズ、「ヴィジュアル・ノヴェル」、アダプテーション
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18K00414
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 徹 京都大学, 文学研究科, 教授 (30170682)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ヴィジュアル・ノヴェル / アダプテーション / ディケンズ / テレビドラマ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、これまで蓄積してきた小説から映像へのアダプテーションについての考察を深化させるとともに、研究対象を「ザ・ワイヤー」をはじめとする最近のテレビドラマに見られる「ヴィジュアル・ノヴェル」というコンセプトへと拡大し、ディケンズを軸にして言語表現と映像表現の関係を探究することである。 2018年度の研究実施計画には、アダプテーションのプロセスの根本となるオリジナル作品、すなわち、この場合はディケンズの小説『荒涼館』、の作品分析、および前回科研費研究から今回の研究のリンクとなる広い意味でのアダプテーションについての研究成果を世に問うことが含まれており、この計画にしたがって、国内の学術誌と、国際的に著名な学術誌に1本ずつ、計2本の研究論文を発表した。 備品費で購入した映像資料を活用し、今後の研究・分析の対象となり得るテレビドラマの広範な実例に接することができた。購入した文献の中では、特に、Greg Metcalf, The DVD Novel(2012)およびAmy M. Damico & Sara E. Quay, 21st-Century TV Dramas(2016)に啓発されるところが多かった。 旅費を利用した外国出張では、ロンドンのDickens Museum, British Film Instituteなどで文献・映像資料の調査を行い、かつ、ディケンズの『荒涼館』についてMichael Slaterロンドン大学名誉教授のレビューを受けることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
映像資料、アダプテーション一般ならびにテレビドラマ関係文献資料の収集、整理は順調に進み、それらの内容の吟味も然るべく進行している。また、著名な国際的学術誌に研究成果を発表することもできた。したがって、本研究は着々と進行していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、広い意味でのアダプテーション研究と、焦点を「ザ・ワイヤー」に絞り込んだ、テクストと制作プロセスにおけるディケンズの影響に関する考察を行い、できれば研究成果を論文の形で公表する。
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Causes of Carryover |
(理由) 物品が予定した額よりも安価で入手できたため (使用計画) 今年度できっちり使用できるようにつとめる
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Research Products
(4 results)