2019 Fiscal Year Research-status Report
ディケンズ、「ヴィジュアル・ノヴェル」、アダプテーション
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18K00414
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 徹 京都大学, 文学研究科, 教授 (30170682)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ヴィジュアル・ノヴェル / アダプテーション / ディケンズ / テレビドラマ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、これまで蓄積してきた小説から映像へのアダプテーションについての考察を深化させるとともに、研究対象を「ザ・ワイヤー」をはじめとする最近のテレビドラマに見られる「ヴィジュアル・ノヴェル」というコンセプトへと拡大し、ディケンズの小説作品を軸にして言語表現と映像表現の関係を探究することである。 本研究実施計画には、アダプテーションのプロセスの根本となるオリジナル作品、すなわち、この場合はディケンズの自伝的長編小説『デイヴィッド・コパフィールド』、の作品分析についての研究成果を世に問うことが含まれており、この計画にしたがって、国際的に著名な学術誌The Cambridge Quarterlyに研究論文を発表した。これはこの小説の言語表現とディケンズの「自伝的断片」などの伝記資料との関係にまったく新たな観点を導入する独創的な内容を含んでいる。 「ヴィジュアル・ノヴェル」に関しては、備品費で購入した映像資料を活用し、今後の研究・分析の対象となり得るテレビドラマの広範な実例に接することができた。購入した文献の中では、特に、David Thomson, Television: a Biography (2016)ならびに、Emily Nussbaum, I Liket To Watch: Arguing My Way through the TV Revolution (2019)に啓発されるところが多かった。これらの作業によって、本研究の根本となる概念についてより深い理解を得ることが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
映像資料、アダプテーション一般ならびにテレビドラマ関係文献資料の収集、整理は順調に進み、それらの内容の吟味も然るべく進行している。また、著名な国際的学術誌に研究成果を発表することもできた。したがって、本研究は着々と進行していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、広い意味でのアダプテーション研究と、焦点を「ザ・ワイヤー」に絞り込んだ、テクストと制作プロセスにおけるディケンズの影響に関する考察を行い、10月に予定されているディケンズ・フェロウシップ日本支部年度総会において研究成果を口頭で発表する。
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Causes of Carryover |
(理由) 物品が予定した額よりも安価で入手できたため (使用計画) 今年度できっちり使用できるようにつとめる
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Research Products
(1 results)