2020 Fiscal Year Research-status Report
Traces of Anglo-saxon whites' invasions seen through African American and African literature and medicine
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18K00419
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
玉田 吉行 宮崎大学, 多言語多文化教育研究センター, 特別教授 (80207232)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アングロ・サクソン / リチャード・ライト / アレックス・ラ・グーマ / アフリカ / 南アフリカ / ケニア / ガーナ / コンゴ |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は以下を実施しました。 1 「アングロ・サクソン侵略の系譜」の流れでメールマガジンへの月1本の連載を継続。2 ガーナとコンゴの独立前後に関する論文を執筆、ケニアと新植民地支配とエイズに関する論文を執筆、続編を執筆中。3 「アングロ・サクソン侵略の系譜」の2回目のシンポジウムを実施。1 メールマガジン「続モンド通信」(門土社:横浜)に「アングロ・サクソン侵略の系譜」の流れで、アフリカ系アメリカ関連1本(「アフリカ系アメリカの歴史 」8月)、研究関連3本(「宮崎医科大学 」4月、「ゴンドワナ (12~19号)」5月、「科学研究費 1」6月、)、アフリカ関連2本(「アフリカの歴史」7月、「2021年Zoomシンポジウム」2021年2月、南アフリカ関連4本「セシル・エイブラハムズ」9月、「ラ・グーマ記念大会」10月、「ブランシ・ラ・グーマ」11月、「アレックス・ラ・グーマ」12月を掲載。 2 ガーナとコンゴ関連「体制再構築時の『先進国』の狡猾な戦略:ガーナとコンゴの場合」2021年3月、ケニアとエイズ関連「アフリカにエイズ患者が出始めた頃の混乱を描き出す『ナイスピープル』」2021年1月))を執筆、ケニアとエイズ関連については継続中。 3 「アングロ・サクソン侵略の系譜」の2回目のシンポジウム「アングロ・サクソン侵略の系譜―第二次世界大戦後に再構築された新体制)」(2月20日(土)10:00~12:00時、発表者・表題:寺尾智史(多文化多言語教育研究センタ-准教授)「列強による分断の果てに―赤道ギニアのビオコ島、アンゴラ飛地のカビンダの現代史」、玉田吉行(同センタ-特別教授)「体制再構築の第一歩―ガーナとコンゴの独立時」、杉村佳彦(同センタ-講師)「マオリの都市化―戦後不況を乗り越えて得たもの―」)を初めてZoomで実施しました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アングロ・サクソン侵略の系譜を文学と医学の狭間から辿ろうとするテーマの範囲はかなり広く、元々4年で終わるテーマではありませんが、今年度は、生き証人ガーナの初代首相クワメ・エンクルマの伝記『アフリカは統一する』(Africa Must Unite)とコンゴの初代国際連合大使トーマス・カンザの評論『パトリス・ルムンバの盛衰』(The Rise and Fall of Patrice Lumumba)と『バズゥル・デヴィドスンの「アフリカシリーズ」を軸に、ガーナとコンゴの第二次世界大戦後の体制の再構築に絞りました。シンポジウム「アングロ・サクソン侵略の系譜―第二次世界大戦後に再構築された新体制)」についてはまとめて冊子にしました。 今回のテーマを決めた経緯や研究の方向性を確認するために、引き続き今まで研究してきた流れや書いてきたものなどについて、研究関連6本で整理しました。雑誌に載せた作品論・作家論や著書の時代的な意義についても再評価しました。 本研究の大枠①<ガーナと独立>、②<コンゴの独立・コンゴ危機とエボラ出血熱>、③<ケニアと新植民地支配とエイズ>、④<南アフリカとアパルトヘイトとエイズ>のうち、今年度で①<ガーナと独立>と②<コンゴの独立・コンゴ危機とエボラ出血熱>を何とか終えました。④<南アフリカとアパルトヘイトとエイズ>はすでに終わり、③<ケニアと新植民地支配とエイズ>についても途中まで進行中です。最終年度内には終わりそうですので、少し遅れ気味ながら進捗状況はまずまずというところです。 今年度も東京外大のAA研、神戸市外国語大学の黒人文庫、国立民族学博物館での資料収集はCovid-19で叶いませんでした。謝金で地域資源創成学部3年の中原愛さんに資料の整理やシンポジウムの補助、司会を依頼しました。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の大枠<ガーナと独立>、<コンゴの独立・コンゴ危機とエボラ出血熱>、<南アフリカとアパルトヘイトとエイズ>は終わりましたので、最終年度は作業中の<ケニアと新植民地支配とエイズ>をまとめたあと、「アングロ・サクソン侵略の系譜」の流れの中で全体をまとめたいと考えています。 余裕があれば、次回の科研費のテーマと考えている奴隷貿易と奴隷体験記、前回の科研費で扱った以降のエイズの小説も少し検討して、今回の「アングロ・サクソン侵略の系譜」に添えられればと考えています。奴隷貿易は近代社会に一番大きな影響を与え、資本主義の進展を方向付けさせた出来事ですし、エイズ治療薬は人類史上もっとも経済的な影響が強い製剤であるからです。奴隷体験記とアフリカのエイズ小説を軸に、先人たちよって残された魂の記録を辿って取り上げることが出来れば嬉しいと思いますが、前回の科学研究費を申請した時点と大学での研究環境が変わっていますので、応募出来ないかも知れません。
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