2022 Fiscal Year Annual Research Report
Japonisme and Modernism: Exhibitions and the Challenge of Ethnic Minority Writers
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18K00420
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Research Institution | Tsuru University |
Principal Investigator |
中地 幸 都留文科大学, 文学部, 教授 (50247087)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ジャポニスム / 野口米次郎 / モダニズム / 浮世絵 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究年度の最終年にあたり、これまでの研究のまとめに取り組んだ。「ジャポニスムから「日本主義」へー野口米次郎の浮世絵論と浮世絵詩を中心に」は『ジャポニスムを考えるー日本文化表象をめぐる他者と自己』(思文閣)に2022年4月に発行されたが、この成果は研究者に送り、様々なフィードバックをいただいた。また本期間中の研究成果の一部は、11月に開催されたルカス・ブルナ氏主催の国際シンポジウム「ヨーロッパの女性が見た日本(ルカス・ブルナ氏科研費研究プロジェクト「チェコ女性作家B・M・エリア―ショヴァ―と日本旅行記・ジャポニスム文学の研究」)で発表させていただいた。最終年度にあたり、展覧会が文学作品に与えた影響について総括的な調査を行った。 本研究の目的は、19世紀後半から広く欧米に広まったジャポニスム、そして20世紀初頭の世界で大きな波となっていくモダニズムを、当時開催された展覧会とマイノリティ作家たちの関係性を紐解くことで再定義していこうとするもので、調査はシノワズリー美術、アフリカ・オセアニア美術等も含めて広く行ったが、焦点となったのは、野口米次郎を中心とする芸術家ネットワークだった。海外における浮世絵の流通や日英博覧会における光琳美術のインパクト、元禄ブーム、シカゴ美術館におけるフランク・ロイド・ライトによる浮世絵展とその影響を受けたジョン・グールド・フレッチャーの詩、そこからの影響を受けた野口の浮世絵詩が今回の研究では中心となった。研究の視座を広く設定したために西洋の南海への眼差しとジャポニスムに交差点があったことなど、次の研究につながるテーマおよび問題を見つけることができた。
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Research Products
(2 results)