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2018 Fiscal Year Research-status Report

Modernism and Autobiography: Stein, Hemingway and Fitzgerald

Research Project

Project/Area Number 18K00425
Research InstitutionBunkyo Gakuin University

Principal Investigator

フェアバンクス 香織  文京学院大学, 外国語学部, 准教授 (70409613)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywordsモダニズム文学 / 自伝研究 / マニュスクリプト研究 / アーネスト・ヘミングウェイ / ガートルード・スタイン / F. スコット・フィッツジェラルド
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、アメリカのモダニズム作家が執筆した自伝および自伝的作品の草稿調査を行い、それぞれの出版本と比較することによって、草稿が遺族ら第三者による編纂を通じてどのように書き換えられ、作品における「私」が脱構築/再構築されたかを明らかにすると共に、モダニズム文学における自伝の特徴を新たに見いだすことを目的としている。対象とする作家はガートルード・スタイン、アーネスト・ヘミングウェイ、F. スコット・フィッツジェラルド。いずれの作家もジャンル問わず、さまざまな方法で自身の姿や想いを作品に投影した。しかし後年に執筆された自伝(的作品)の多くは、作家の死後、形を変えて出版されており、先行研究もその出版本を元にした論考が大半を占める。本研究ではまず、草稿調査を通じて各々の作家が遺した「オリジナル原稿」を復元し、彼らが自伝の形で遺した晩年の「声」を浮かび上がらせる。そしてその「声」を多角的に検証することで、モダニズム文学における自伝の再定義を行う。

初年度の2018年度は、主に以下の三点に従事した。
一点目はモダニズム文学および自伝研究、自己論についての先行研究である。文献等を通じて、モダニズム作家にとって自己規定および「自己」の描き方の特徴はどのようなものであったか、またそれらについてこれまでどのような議論がなされてきたかを整理した。
二点目はアメリカ人作家ガートルード・スタインの草稿分析である。イェール大学ベイネック図書館で入手したスタインの自伝的作品『アリス・B・トクラスの自伝』の草稿を出版本と照らし合わせることにより、執筆時のスタインの葛藤やトクラスの執筆介入の有無などについて調べた。
三点目はパリで開催されたヘミングウェイ学会国際大会での研究発表である。発表を通じて海外の研究者との交流を図るとともに、時間が許す限りパリにおけるヘミングウェイ(作品)の足取りを辿った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

おおむね研究計画書に記した通りに研究が進んでいる。ガートルード・スタインの草稿分析については、スタインの直筆が想定していた以上に判読困難だったため、まだすべての分析を終えられていない。しかし、そのような状況でありながら『アリス・B・トクラスの自伝』から新たに判明したことがあったため、別の自伝的作品の草稿調査も実施したいと考えている。またスタイン研究を通じて、スペイン画家パブロ・ピカソとの影響関係に大きな関心を抱くようになった。当初は予定していなかったピカソ研究ではあるが、機会をみつけてピカソの芸術論や自己表現論を学び、その成果をスタイン研究やモダニズム研究に組み入れていきたい。

Strategy for Future Research Activity

2019年度はアメリカ人作家F. スコット・フィッツジェラルドに視点を変えて、彼の自伝的作品の草稿調査および分析を行う。対象作品は『短い自伝』(A Short Autobiography, 2011)、『君のためなら死ねる』(I’d Die For you: And Other Lost Stories, 2017)、そして『ラスト・タイクーン』(1941)。最初の二作品はいずれも死後出版された短編集である。自伝的要素が強くうかがえるこれらの作品をマニュスクリプト研究や自伝研究などの見地から多角的に検証したい。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じた理由は、ガートルード・スタイン研究で行うはずだった草稿調査が中止となり、その分の旅費の支出がなかったためである。この使用額に関しては、2019年度の助成金と合わせてモダニズム作家研究およびピカソ研究のための調査費としたい。

  • Research Products

    (2 results)

All 2018

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] 追憶のパリ ――死後出版作品群における「1920 年代パリ」の記憶とその機能2018

    • Author(s)
      フェアバンクス香織
    • Journal Title

      『ヘミングウェイ研究』

      Volume: 第19号 Pages: 41-51

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Hemingway’s Final Love Letter to Hadley: Reinterpreting the Original Manuscript of A Moveable Feast2018

    • Author(s)
      Kaori Fairbanks
    • Organizer
      The 18th Biennial Hemingway Society Conference in Paris
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2019-12-27  

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