2021 Fiscal Year Research-status Report
Modernism and Autobiography: Stein, Hemingway and Fitzgerald
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18K00425
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
フェアバンクス 香織 文京学院大学, 外国語学部, 准教授 (70409613)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | モダニスト作家 / 自伝研究 / ガートルード・スタイン / ギョーム・アポリネール / 第一次世界大戦 / スペインかぜ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、アメリカのモダニスト作家が執筆した自伝および自伝的作品の草稿調査を行い、それぞれの出版本と比較することによって、草稿が遺族ら第三者による編纂を通じてどのように書き換えられ、作品における「私」が脱構築/再構築されたかを明らかにすると共に、モダニズム文学における自伝の特徴を新たに見いだすことを目的としている。対象とする作家はガートルード・スタイン、アーネスト・ヘミングウェイ、F. スコット・フィッツジェラルドである。当初は2018年度から2020年度の予定であったが、コロナ禍によりアメリカでの草稿調査実施が叶わなくなったため、延長を申し出た次第である。
しかし残念ながら、2021年度も海外での草稿調査や成果発表は実現しなかった。そのため、前年度に引き続き当該研究課題のテーマを「モダニスト作家と1918年パンデミック」に一部変更して、研究を継続させた。
具体的には、第一次世界大戦中に世界を席巻したスペインかぜに焦点を当て、多くのスペインかぜ研究者が今なお首をかしげる問い――なぜ「失われた世代」を中心とするモダニスト作家たちはスペインかぜを無視するのか――をスタインの自伝『アリス・B・トクラスの自伝』を手がかりに解く試みを行なった。スタインは当自伝において、スペインかぜで命を落としたフランスの詩人アポリネールの死を戦争と結びつけ、彼とキュビズムの関係も強固に描いた。その背景には第一次世界大戦にキュビズムの構図を見いだしたスタインが(事実に反して)終戦日とアポリネールの死去日を重ね、かつアポリネールとキュビズムを(事実以上に)結びつけることによって、大戦―アポリネール―キュビズムを同一線上で捉えようとしたと考えられる。この研究成果は、2022年度中に共著の一遍として公開される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍が長期化し、アメリカ合衆国のJFKライブラリー内「ヘミングウェイ・コレクション」での長期原稿調査、およびプリンストン大学ファイヤーストーン図書館でのフィッツジェラルドの草稿調査の実現が叶わなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは2020年度に行う予定だったF. スコット・フィッツジェラルド研究に向けて、プリンストン大学ファイヤーストーン図書館での草稿調査を始めたい。また、JFKライブラリー内「ヘミングウェイ・コレクション」も今年4月に正式に再開した。4月から在外研究でアメリカに滞在しているため、コロナ禍に留意しながら、時間の許す限り各地で草稿調査や成果発表を行いたい。
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Causes of Carryover |
研究期間の最終年度に実施予定だったアメリカでの草稿調査がコロナ禍のため実施できず、国際学会も中止となったため。2022年度は在外研究でアメリカに滞在している。アメリカでは多くの研究機関や図書館が一般公開を再開し、国際学会も対面での実施に戻ってきたため、草稿研究および成果発表に「次年度使用額」の多くを充てる予定である。
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Research Products
(3 results)