2022 Fiscal Year Annual Research Report
Toward the Construction of the Transpacific Vietnamese American Studies
Project/Area Number |
18K00435
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
麻生 享志 早稲田大学, 国際学術院, 教授 (80286434)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ヴェトナム戦争 / ヴェトナム系難民 / アジア系アメリカ / アメリカ大衆文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本来2020年に終了すべき本研究課題であったが、コロナ禍の影響から2年の超過期間を経て予定していた研究をほぼ終了することができた。以下、2022年度に行った研究の概要である。 1) 『アメリカ文学と大統領』(南雲堂)への掲載論文「ゴー・エレクトリック・ボブ・ディラン―ケネディ暗殺と対抗文化」の最終校正を行った。当初2022年刊行予定だった本書だが、一年遅れて2023年夏に刊行される。アメリカにおける各大統領期の特徴等を文化・社会的に包括的に論じる本書のなかで、本研究者は第35代大統領ジョン・F・ケネディー政権における東南アジア政策を背景に、2016年ノーベル文学賞受賞者ボブ・ディランの音楽活動が、ケネディ暗殺等に色濃く影響されている点を取り上げて分析、論じた。 2) 2020年夏にアメリカ、ヴァイキング社より出版されたベトナム系難民作家 Lan Cao とその娘 Harlan Margaret Van Cao による自伝書 "Family in Six Tones: A Refugee Mother, an American Daughter" の翻訳権を、東京・小鳥遊書房を通じて取得した。すでに2021年度後半より開始していた翻訳作業については、2022年夏までに完了し、その後の校正作業を経て同年12月の出版となった。出版にあたっては、Lan Cao 親子の難民としての過去を論じる「訳者あとがき」を付した。 3)ヴェトナム系アメリカ文化・文学に関する文献調査等を継続的に実施した。 4)ヴェトナム系難民作家 Lan Cao、Viet Le らと継続的に意見交換を実施した。その主たるテーマは、コロナ禍を経てヴェトナム系難民文化が直面している現状と今後の展望である。
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Research Products
(1 results)