2019 Fiscal Year Research-status Report
「オリジナル」とはどういうことか?―近現代ドイツ語圏文学における「複製」の問題圏
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18K00453
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
由比 俊行 岡山大学, 全学教育・学生支援機構, 准教授 (90737090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 哲哉 近畿大学, 経営学部, 准教授 (20567797)
藤原 美沙 京都女子大学, 文学部, 講師 (20760044)
宇和川 雄 関西学院大学, 文学部, 准教授 (30779385)
福岡 麻子 神戸大学, 大学教育推進機構, 准教授 (40566999)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | オリジナル / 複製 / 分身 / 心霊主義 / ポスト複製論 / 作者性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近現代ドイツ語圏文学の作家たちのテクストにあらわれる「複製」や「分身」、「亡霊」等の主題群の分析をつうじて、唯一真正な「オリジナル」という近代的価値観にたいして、作家たちがいかなる態度をとったのかを明らかにしようとするものである。令和元年度は、当初の計画に沿って、研究チームの各メンバーが引き続き文献調査を進めるとともに、可能な限り各種学会での研究成果の発表に努めた。具体的には、熊谷(研究分担者)が、2019年5月開催の心霊主義に関する国際会議において口頭発表を行い、福岡(研究分担者)と藤原(研究分担者)は、2019年8月に開催されたアジア・ゲルマニスト会議(国際会議)において研究成果の一部を発表した。また、宇和川(研究分担者)は、ドイツから講師を招いての講演会を企画・実施し、研究テーマについて掘り下げて議論を交わす場を設けた。2019年9月および2020年3月に開催した研究会合においては、上記の研究報告に加えて、各メンバーの今後の具体的な研究テーマについても議論が交わされ、最終年度に予定されているシンポジウムに向けてメンバー間で問題意識を共有するとともに、有益な情報交換を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述のとおり、各メンバーの個別研究はおおむね順調に進展している。研究会合についても、Zoom等でのリモート会議も含め、当初予定していた2回の会合を開催し、メンバー間で研究テーマについて一定の問題意識を共有することができている。次年度に予定されているシンポジウムの実施に向けて、着実に準備が進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる次年度においては、令和元年度の個別研究で得られた知見にもとづき、各メンバーがシンポジウム開催にむけて準備を進める。当初は3回の研究会合を予定していたが、新型コロナウィルスの影響により、対面での実施が不可能となる場合も考慮し、メールでの連絡やZoom等によるオンラインミーティングを活用し、シンポジウムに向けて議論を深める。
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Causes of Carryover |
当初はドイツ語圏各都市における資料収集を予定していたが、所属研究機関の業務や学会活動等により、当該年度のドイツ語圏への渡航、まとまった日数の滞在 が困難な場合もあり、請求した旅費・物品費を十分に活用することができなかった。次年度は、当該助成金と2020年度分として請求した助成金を有効に活用し、シンポジウム開催に向けて研究活動をさらに充実させる予定である。
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Research Products
(7 results)