2021 Fiscal Year Research-status Report
グランゴール作演出パリ入市式における16世紀フランス王権とパリ市民の研究
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18K00454
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平手 友彦 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (10314709)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | パリ / 入市式 / ピエール・グランゴール / サン=ドニ通り |
Outline of Annual Research Achievements |
15世紀末までのフランス王・王妃のパリ入市式(1389年8月20日シャルル六世妃イザボー・ド・バヴィエール、1431年12月2日ヘンリー六世、1437年11月12日シャルル七世、1461年8月31日ルイ十一世、1467年9月1日ルイ十一世妃シャルロット・ド・サヴォワ、1484年7月5日シャルル八世、1492年2月9日シャルル八世妃アンヌ・ド・ブルターニュ、1498年7月2日ルイ十二世)を古記録、日記、年代記、歴史書などからその変化を考察した。 この変化を踏まえた上で、ピエール・グランゴールが関与したと考えられる三つのパリ入市式(1504年11月20日ルイ十二世妃アンヌ・ド・ブルターニュ、1514年11月6日ルイ十二世妃マリー・ダングルテール、1517年5月12日フランソワ一世妃クロード)について、サン=ドニ門、サン=ドニ通りのポンソーの泉、トリニテ、絵師たちの門、聖イノサン、シャトレ、王宮前の7地点の舞台の実際を比較検討し、それぞれの入市式の舞台には相互に関連が見られ、一貫した流れがあって、入市式はひとりの製作者によって成立していたことを示唆した。 これまでの研究では、ピエール・グランゴールが入市式で関与した舞台はパリ市古記録からシャトレのみとされてきたが、必ずしもそうではなく、ピエール・グランゴールが三つの入市式全体をコーディネートした可能性が高いことを明らかにし、この研究成果を学術雑誌「欧米文化研究」に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナの感染拡大が続いて、パリ国立図書館などに所蔵されている文献(電子データを除く)を調査することができていないから。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で披見できていないパリ入市式(特に1514年11月6日ルイ十二世妃マリー・ダングルテールと1517年5月12日フランソワ一世妃クロード)と関連する写本と版本をパリ国立図書館などで調査し、これまでの研究成果を補足あるいは再検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大でパリ国立図書館などでの文献調査ができていない。次年度は本研究でこれまでに披見できていない写本と版本を調査する旅費を使用する。
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