2023 Fiscal Year Annual Research Report
Literature and urbanism in the French Third Republic: Zola and Tony Garnier
Project/Area Number |
18K00472
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
彦江 智弘 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 教授 (80401686)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 文学と都市計画 / フランス第三共和政 / エミール・ゾラ / パリ / トニー・ガルニエ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究最終年度にあたる今年度は主にこれまでの研究を再検討し総括することにあてた。本研究課題は新型コロナウィルス感染症の発生のためとりわけ海外での調査の実施が困難になり、当初の3カ年の計画を複数年延長することを余儀なくされた。しかしながらこの間に国内での文献調査を進め、本研究課題に関わる4本の研究論文を発表した。「〈言葉の受肉〉としての引用──ゾラとトニー・ガルニエのユートピア」(篠田勝英ほか(編)『引用の文学史』水声社、2019)、「ゾラの『労働』における労働からの解放のユートピア」(『常盤台人間文化論叢』第7号、2021)、「エミール・ゾラの『制作』における労働と都市──新印象派の方ヘ──」(『常盤台人間文化論叢』第8号、2022)、「ランボーによる「都市の設計」──散文詩「都市」からル・コルビュジエへ」(『常盤台人間文化論叢』第9号、2023)。 これらの研究論文について、今年度実施したパリでの文献調査の結果に基づき再検討を加えるとともに、エミール・ゾラの研究者でもあり、とりわけ本研究課題にとって重要な後期ゾラ作品に造詣が深い御茶ノ水女子大学の田中琢三准教授を招聘し、本研究課題を総括する研究会を実施した。その際に、都市計画という観点を導入し、都市を具体的に改変しコントロールすることを目指す様々なアクターを浮かび上がらせることで、文学と都市というテーマの多角的検討を可能にする新しい視座がどのように拓かれるかを中心に議論を行った。同時に、科学としての都市計画が成立し、都市をテーマに持つ重要な作品が多数書かれたフランス第三共和政期の重要性が改めて確認された。この点については、新型コロナウィルス感染症による本研究課題の延長期間中に採択された基盤研究(C)「都市計画の時代としてのフランス第三共和政とその文学:ル・コルビュジエと作家たち」に引き継いで研究を進めている。
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