2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K00486
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| Research Institution | Tokai University |
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Principal Investigator |
河島 思朗 東海大学, 文化社会学部, 准教授 (80734805)
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2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 西洋古典学 / オウィディウス / ウェルギリウス / ホラーティウス / ギリシア・ローマ神話 / 古代ローマ社会 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標のひとつは、ラテン文学黄金期の作品、とりわけオウィディウス・ホラーティウス・ウェルギリウスの作品について、社会的文脈のなかで再考することである。本年度はその研究の一端として、いくつかの観点から具体的に分析を進め、成果を発表した。
ウェルギリウスに関連する研究としては、その成果を共著の論文集で発表した（「アイネイアス ―生き残る運命―」）。これは、ホメロス『イリアス』におけるアイネイアス神話を分析するものであり、のちにウェルギリウス『アエネーイス』の主題へとつながるものである。また、文学作品の社会的影響について言語とのかかわりから考察し、その成果を学術雑誌において発表した（「ギリシア語の方言とラテン語の標準語──共通語・公用語に関する文学の役割──」）。また、オウィディウス『変身物語』における文献学的研究の成果を学会で発表した（オウィディウス『変身物語』第4巻243行enectumについて）。この成果は『変身物語』のテクストに新たな読みを提示するものであり、古典学研究において解釈の前提となる重要性を有している。
古代ローマが版図を広げる際に、神話を用いて異文化との文化的な融合を進めたことを明らかにし、その成果をシンポジウムで発表した。同様に、地中海世界において人や物の流動性や社会的観点に対して神話がもたらす影響を分析し、シンポジウムで発表した。これらの成果は本研究の主眼のひとつである文学・神話・社会の関連性を明らかにすることに寄与した。
イタリアを中心に実地調査や現地研究者との会合を行い、古代ローマにおける神話やエトルリアの影響を調査した。学術的な成果を広く一般に還元するために、市民講座を2カ月に1回行うとともに、ギリシア・ローマ神話に関する展示の企画協力を行った。また複数回の講演会や共著の一般書に寄稿するなどの活動を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は研究計画に基づいて、おおむね順調に進展し、その成果を発表することができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
本年度までに得られた研究成果をまとめるとともに、研究をさらに推し進めることに重きを置く。2019年度は特に『変身物語』の包括的な研究成果を一定の形として公開することを目指す。
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| Causes of Carryover |
いくつかの書籍・文献に関して、出版が遅れたり、年度内に手に入れることができなかったために、次年度使用額が生じた。それらの書籍・文献については次年度に購入予定である。
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Research Products
(6 results)
