2019 Fiscal Year Research-status Report
近代以降の「神話」概念の包括的再検討とその社会的意義の解明
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18K00506
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
清川 祥恵 神戸大学, 国際文化学研究科, 協力研究員 (50709871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 貴志 立教大学, 文学部, 教授 (10314783)
植 朗子 神戸大学, 国際文化学研究科, 協力研究員 (20611651)
山下 久夫 金沢学院大学, 文学部, 名誉教授 (40239976) [Withdrawn]
斎藤 英喜 佛教大学, 歴史学部, 教授 (40269692)
南郷 晃子 (中島晃子) 神戸大学, 国際文化学研究科, 学術研究員 (40709812)
大野 順子 摂南大学, 理工学部, 准教授 (50737103)
横道 誠 京都府立大学, 文学部, 准教授 (60516144)
田口 武史 福岡大学, 人文学部, 教授 (70548833)
上月 翔太 大阪大学, 文学研究科, 助教 (90860867)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 神話 / 神話学 / 比較神話学 / オリエンタリズム / ナショナリズム / 多文化共生 / 文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、11月に開催した国際シンポジウム「『マヤ文明』と『日本神話』:近代知が紡ぐ地の『記憶』」の実施が最も大きな成果である。同シンポジウムは、近代学知を底流に持ち、今はなき祖先の「記憶」を想像/創造し、語るものとしての日本神話とマヤ文明に焦点を当てたものであった。まず、西洋知をすなわち近代知として受容した日本とメキシコという二つの国における事例を、メキシコ社会人類学高等研究院のホセ・ルイス・エスカロナ・ビクトリア教授と國學院大學の平藤喜久子教授の両名から、それぞれ「マヤ神話を仕立てる:19世紀における新大陸文明の断片」、「植民地主義と日本神話」と題し、ご講演いただいた。コメンテータの鋤柄史子氏からは、近代の印刷術の発展と、帝国主義的な文化の収奪によって、原生林ではなく手入れされた庭園のように「整備」されていくものとしての「神話」という観点が補足された。一般より多数のご参加があったフロアからも、「マヤ神話」と日本の神話の類似点、相違点につき複数の質問が提出され、同時に、当シンポジウムについて、非常に意欲的な企画であるとして、今後の研究継続のご要望もお寄せいただくなど、社会還元の面からも有意義なイベントとなった。 また、複数人での研究プロジェクトであるため、2020年1月には代表者・分担者・外部アドバイザーの参加する読書会にていまいちど方針の微調整作業も行い、次年度にむけての計画を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
複数人での共同研究のため、個々人の状況によって予算の執行に計画変更が生じている部分がある。また、Covid-19の感染拡大の影響により、年度末に外部研究会が中止されたり、遠方からの参加をとりやめるなどの事態となり、研究交流に支障が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
プロジェクトとしての大枠の推進方策に変更はないが、社会情勢への対応を迫られるため、個々人が各自の研究分野での調査・成果発表を模索しつつ、オンラインも含めた全体としての意見交換会の場を確保し、緊密に連携しながら進行していく予定である。
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Causes of Carryover |
参加研究者各自の状況ないし他の研究課題の進行との兼ね合いや、Covid-19感染拡大の影響下で遠方の研究会参加とりやめなどにより、執行予定の変更を余儀なくされたため。
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Research Products
(15 results)