2019 Fiscal Year Research-status Report
朝鮮の演劇人安英一の演劇活動全般に関する通時的研究
Project/Area Number |
18K00513
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
金 牡蘭 早稲田大学, 総合研究機構, その他(招聘研究員) (90732941)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 安英一 / 李康福 / 村山知義 / 新協劇団 / 朝鮮演劇 / 解放期 / 左翼演劇 / 新劇 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、安英一の演劇活動において未だその全貌が明らかになっていない二つの時期(①1930年代の日本活動期、④解放後、北朝鮮に渡ってからの時期)について、調査研究をつづけた。前年度に引き続き、1930年代の活動については、新協劇団内部で発刊された新聞・出版物などを綿密に調査することで、安英一・李康福など、在日朝鮮人の演劇活動について、新しい情報を得ることができた。また、新協劇団時代以来、持続的に交流することになる日本の演劇人村山知義との関係について、本格的な調査に着手した。1945年の春から年末までの時期を朝鮮で過ごした村山知義の朝鮮時代の活動を具体的に把握するために、村山の遺族によって寄贈された資料を管理している神奈川県立近代美術館(葉山)の協力を得て、村山のスクラップブックなどに対する資料調査を行った。さらに、1950年代末に行われた、村山知義など日本新劇人たちの北朝鮮訪問に注目し、当時の訪問報告などの資料を基に、解放後における左翼演劇における安英一など朝鮮演劇人たちと日本新劇人たちの交流の状況を調査・把握した。村山知義に対する調査結果のなかで、解放直後の1945年後半の朝鮮演劇再建に関わった時期については、2019年度に研究発表を行っており、それ以降の時期については、2020年度中に発表を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
重点的に利用する図書館の工事による長期休館とともに、新型コロナの流行による渡航不可能・図書館休館のために、調査研究に大きな支障が生じているため
|
Strategy for Future Research Activity |
想定していた資料収集が終わっていないが、渡航不可能などの現状を勘案し、次年度はこれまでの調査研究を段階的な形でまとめ、発信する作業に集中する予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナの影響で、予定していた研究出張がすべて不可能となり、海外からの書籍購入も難しい状況が続いたため
|