2018 Fiscal Year Research-status Report
Etymological lexicon of Kurux and reexamination of Dravidian family tree
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18K00524
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 正人 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (90337410)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | クルフ語 / ドラヴィダ語 / マルト語 / ブラーフイー語 / 歴史言語学 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、クルフ語談話コーパスの出版公開に向けて、コーパスの書き起こし作業を行った。クルフ語の書き起こしはひとまず完了し、現在校正中であるが、その過程で未知の語句が多く発見されたことから、現地話者に一つ一つ意味を確認して辞書の拡充を図っているところである。 マルト語に関しても、Kobayashi & Tirkey 2012 としてすでに公開した談話コーパスのさらなる拡充に向け、談話の書き起こし作業を再開したた。現地調査によって不明点を確認し、現在書き起こし作業を進めている。ブラーフイー語に関しては、いまだ基礎語彙の書き起こしの段階であるが、順次作業を進めている。 現地調査は気候の安定した2月から3月にかけて実施した。今回はジャールカンド州パークル県のマルト語話者の村ウルサ・パハールとパデルコラBを訪れ、これまでの録音内容の聞き取り調査をしたほか、テロパラ村において新規に民話を録音した。ブラーフイー語に関しては、母語話者から基礎語彙の録音を行った。クルフ語に関して多くの時間は取れなかったが、語彙を中心として話者と面談して確認した。 今年度は8月と2月に科研の報告会においてクルフ語の表出語の口頭発表を行い、その論文と語彙集を作成し、現在出版に向けて査読中である。学会では7月にカナダ・ブリティッシュコロンビア大学で開催された世界サンスクリット会議と、12月にインド・カルナータカ州マイソールで行われた40回インド言語学会国際会議に出席し発表した。 成果の教育への応用として、今年度はドラヴィダ語学に関する演習を開講し、クルフ語、マルト語を含む主要ドラヴィダ語の専門文献とテキストを読む授業を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
録音データの書き起こしとデータの校正に多大の時間が必要であるが、単独で行っており、また想定外のデータがしばしば見つかるため、当初計画していた量の情報を処理しきれていない。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでは年一回の現地調査ですべての疑問点を面談して解決してきたが、それでは予定の量のデータを集められないので、今年度はクルフ語とマルト語の話者を招聘して作業の効率化を図る。
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Research Products
(3 results)