2021 Fiscal Year Annual Research Report
Investigating the indexical shift mechanism and its interaction with the syntax and pragmatics interface
Project/Area Number |
18K00540
|
Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
森田 久司 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (30381742)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | indexical shift / logophor / monster operator / pivot / point of view / perspective |
Outline of Annual Research Achievements |
Indexical (指標表現)には、話し手や聞き手を指す代名詞などが含まれるとされているが、それらの代名詞の振る舞いについて、言語間で違いが指摘されている。具体的に、英語のI (またはyou)、日本語の「私」(または「あなた」)といった代名詞は、直接引用部分でない限り、話し手(または聞き手)を指すが、ウィグル語、アムハラ語などでは、態度や主張を示す述語の埋込節内で、当該の代名詞が使用された場合、文の話し手(または聞き手)を指すのではなく、その埋込節を表明した人物を指すと言われており、代名詞の指すものが変化する現象をIndexical Shiftと呼ぶ。 本研究では、Indexical Shiftは、従来考えられているものより、ずっと一般的であることを、日本語のIndexical Shiftの例を用いて示すことが目標である。今までは、指標表現を代名詞等に限って分析を行ってきたことが、問題で有、「・・・そう」、「・・・てしまう」等、助動詞なども、上記のようなIndexical Shiftを示し、指標表現のメンバーに含めることが肝要である。 しかしながら、日本語の助動詞が可変指標表現であることを示すことには、いろいろと問題がある。例えば、可変代名詞と似たようなものとして、logophorというものがあり、一般的に、可変指標表現とは別物と考えられているが、それの区別方法が確立していない。また、日本語の助動詞の中でも、可変指標表現と酷似するものがあり、この区別方法もわかっていない。そして、指標表現の可変メカニズムに関しても、言語学分野では、意見の一致を見ていない。 本研究では、主張の正しさを示すために、言語データの類別方法を確立した上で、可変メカニズムについても、新しい主張を行う。
|
Research Products
(3 results)