2020 Fiscal Year Annual Research Report
Generative Grammatical Study on Possibilities and Elaborations on the MERGE operation in the Minimalist Program
Project/Area Number |
18K00543
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
豊島 孝之 東北学院大学, 文学部, 教授 (40311857)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 生成文法 / 極小主義 / 併合 / 大併合 / 順序対 / 複写 / 反復 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の令和2年度も初年度から引き続き関連テーマの研究会に参加し、「大併合」(MERGE)操作の仕組みを精緻化するための前提条件を他の参加者と討議することにより、形式的定義へ向けての研究を行った。 初年度に見出した「大併合」操作の枠組みにおいて複写(copy)と反復(repetition)との区別を一時留保する可能性については、順序対で表される付加構造を生成するための「対大併合」操作(pair-MERGE)を別個に定義する必要性はなく、単一の「大併合」操作の連続適用として還元可能であることを見出した。 新たな枠組みでは、統語構造の構築は「大併合」操作のみに統一可能であるが、統語構造構築中に留保された複写か反復かの区別は、概念・意図インターフェイス(Conceptual-Intentional Interface)及び感覚・運動インターフェイス(Sensori-Motor Interface)において、それぞれ意味解釈と音形具現化の必要があるが、転送(TRANSFER)された位相(phase)単位で表示的に決定可能であり、逐次派生的に決定する必要はないことが判明した。 そこで、両インターフェイスでの複写か反復かの区別は、極小主義プログラム以前に束縛理論(Binding Theory)で提案されていた非束縛子(bindee)の文脈的決定法(contextual determination)と同様の方法で定義できる可能性があり、特に空演算子移動(empty operator movement)に導かれる連鎖(chain)と音形を持つ疑問詞句移動(overt wh-movement)に導かれる連鎖を合成して大連鎖(CHAIN)を形成する場合には有効であることを見出した。 この結果については、日本英語学会第38回大会のワークショップにおいて総括コメントとして口頭発表した。
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Research Products
(1 results)