2018 Fiscal Year Research-status Report
East Bodish諸語の言語実態・言語変化・言語変容
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18K00565
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西田 文信 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (40364905)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 記述言語学 / ブータン諸語 / チベット=ビルマ語派 / シナ=チベット語族 / 歴史言語学 / 社会言語学 / 言語人類学 / ブータン王国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は研究代表者がこれまで行ってきたマンデビ語(Mangdebikha : シナ=チベット語族、チベット=ビルマ語派、ヒマラヤ語支、チベット=キナウリ語群、東チベット諸語、Nyenkha、Henkha、Lap、Mangsdekhaとも称される)と系統関係にあるEast-Bodish諸語の系統関係を解明することにある。マンデビ語、オレカ語等の個別言語の正確な記述と、言語間の親疎関係を最新の系統分類の研究手法を用いて明らかにすることを目標とする。また、言語使用等ミクロな視点と言語政策等のマクロな視点から言語状況・言語変容・言語変異を正確に記録することも目標としている。 本研究課題の初年度は2018年9月にワンディポジャン県にてこれまで記録のないマンデビ語の方言に関する現地調査を遂行することができた。収集したブムタン諸語の語彙データの一次資料の入力をほぼ終了し、言語系統の分析の基礎的データが整備された。 成果は京都大学にて開催されたThe 51st International Conference on Sino-Tibetan Languages and LinguisticsにてLinguistic variations of different age groups in the Mangdep dialectsと題して、またオックスフォード大学にて開催されたThe Inaugural International Society of Bhutan Studies (ISBS) ConferenceにてSentence types of Mangdebikhaと題してそれぞれ口頭発表した。論文としては「マンデビ語諸方言における音韻の年代差」及び「ブータン王国の諸言語について―言語多様性の現状と課題:Lhokpu語を例に―」等を発表することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
家庭の事情により研究の進捗が心配されたが、当初の予定通り現地調査を遂行することが出来た。成果の発表として国際学会で2回発表することができたほか、講演会で一般の方々を対象とした研究成果の社会的還元を図ることができた。データの整理も所属先の同僚や院生の助言を得て最新の統計学的処理を施す方法論について理解を深めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は本研究の第2年度となるため、今年得られたマンデビ語の新データをもとに、East Bodish諸語の系統関係を解明に向けてさらに精密な分析を施す。かねてより継続して来ているマンデビ語の文法に関しても記述、比較をさらに進めていく。海外の協力者との関係では、ブータン王国特にDzongkha Development Commissionの研究者との連携をより強め、スイスのベルン大学言語学研究所の研究者との共同研究により力を入れていく。国際会議の場で積極的に意見交換を行っていき、East Bodish諸語の分類と音韻特徴の解明を図る。
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Research Products
(16 results)