2021 Fiscal Year Research-status Report
East Bodish諸語の言語実態・言語変化・言語変容
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18K00565
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
西田 文信 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (40364905)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | East Bodish / 記述言語学 / 危機言語 / 歴史言語學 / チベット・ビルマ語派 |
Outline of Annual Research Achievements |
East Bodish諸語の中でも特にマンデビ語について、その記述言語学的研究を行なうとともに、人類学の視点からも、言語動態の観点から種々の言語接触、民族の接触についての研究を行なった。 言語学的研究については、マンデビ語文法(音韻論、形態論、統語論、意味論、語用論、社会言語学的研究を含む)の研究を行ない、ゾンカ語やブムタン語、ケン語との対照研究、比較研究も行なった。なかでも、テンスやアスペクト、モダリティの用法と意味、証拠性の形式、動詞の文法化の諸相について考察を進めた。 人類学的研究については、音声による身振りや非言語的行動の特徴と分類、身体表現等のコミュニケーションの身体性について分析を行った。 2021年度9月より、隔週でzoom によりマンデビ語話者を繋ぎ、オンラインの対談を実施した。これにより数多くの談話資料の採録が可能となった。 2019年度に東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所で開催されたゾンカ語研修の参加者を中心としたメンバーにより、2021年度より南チベット研究会を主宰し、オンライン及び対面方式で言語学・文学・文化人類学の研究者を繋いだ研究会を開催した。研究代表者は、マンデビ語の幼児語の音韻論的特徴とその歴史言語学的意義及び19世紀から20世紀初頭にかけて西洋人が記述したチベット・ビルマ諸語の特徴についての考察を発表した。後者については、広くチベット・ビルマ諸語の観点から、東京都立大学主催の第8回清代言語接触研究会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度来継続するコロナ禍の状況のもと、海外渡航を伴う現地調査はもとより国内の出張も困難な状態が続いてたことによる。Zoom等を用いたオンラインによる言語調査を実施し研究を進めているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間の延長に伴い2022年度が最終年度となるが、コロナ禍のもと、最終年度も海外出張・国内出張が不可能・困難な状況が見込まれる。可能であれば渡航による補充調査を実施する予定であるが、それが不可能な場合、オンライン形式によってカバーできる範囲で調査研究を継続し、国際学会・研究会・シンポジウム等に積極的に参加・発表する予定であ。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により一部計画していた現地渡航を伴う調査研究が延期となり、その費用の一部が消化しきれない形で次年度に繰り越した。2022年度における渡航調査において使用する予定である。
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Research Products
(9 results)