2020 Fiscal Year Research-status Report
動詞の他動性に関するチュクチ語とモンゴル語の比較対照研究
Project/Area Number |
18K00569
|
Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
呉人 徳司 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (40302898)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 言語学 / チュクチ語 / モンゴル諸語 / 動詞の他動性 / 自動詞 / 他動詞 / 逆受動 / 逆使役 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、コロナウイルス感染の影響を受け、海外に行き現地調査による一次資料を収集することが出来なかったため、これまで収集したデータをしっかりと整理・分析し、チュクチ語の多動性とモンゴル語のヴォイスに関する研究を行って。これに加え、モンゴル諸語の一つであるブリヤート語を中心に関する研究を進めた。詳しくは以下の通りである。 チュクチ語に関しては、動詞の他動性に直接かかわる動詞の結合価の増減について再検討した。中国の研究機関の要請を受け、中国の言語学に関する大辞典に、他動性のヴォイスに関するいくつの項目を執筆し、寄稿した。 モンゴル諸語に関しては言えば、ロシア、モンゴル国、中国に分布するブリヤート語の資料を整理し、国内で開催されたオンライン方式の国際ワークショップで発表し、その内容を論文として執筆し、刊行した。 海外の研究者との連携し、数年間実施した共同研究はかなり進んでいる。その一つの例は、ロシアのブリヤート国立大学の研究者が編集した”A Reverse Dictionary of Buryad”(ブリヤート語の逆引き辞典)の監修者として、辞典編纂の詳細の内容に関わり、つい最近勤務先である東京外国語大学からその辞典を出版することができた。 コロナウイルス感染の脅威により、2020年度は海外に行き、国際学会で発表することができなかった。しかし、モンゴル国立教育大学がオンライン方式で開催したモンゴル語の文法範疇に関する国際ワークショップに参加し、モンゴル諸語のヴォイスについて研究発表をすることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題に沿って三年目の目標を達成ために、現地調査による一次資料を収集することが最も重要であったが、コロナウイルスの感染拡大により、海外に行き、現地調査により一次資料を収集することができなかったことが大きな原因である。 現地調査による一次資料を収集することができなかったが、海外の研究者と連携し、共同研究を進めることができたので、研究はある程度進んだと言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は、本研究課題の最終年度になるため、研究の成果をまとめ、今後の研究につなげることに舵を切ることである。そのためには、研究資料を整理・分析を行ない、これまでの研究を再度精査し、今後の研究につなげることに重点を置く予定である。また、海外の研究と連携し、共同研究を進めることも大変重要である。
|
Causes of Carryover |
2020年度は、世界規模で広がったコロナウイルス感染症の原因により、予定していた海外の現地調査がまったく実施できたなかった。そのため、2020年度の使用額を次年度に使用することにしたのである。
|
Research Products
(6 results)