2020 Fiscal Year Annual Research Report
Oscillatory neural interaction between speakers in verbal communication.
Project/Area Number |
18K00581
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Research Institution | Shobi University |
Principal Investigator |
時本 楠緒子 尚美学園大学, 総合政策学部, 非常勤講師 (10435662)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 実時間相互作用 / 脳波 / 言語コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、実時間社会的相互作用としての言語コミュニケーションの神経基盤を脳波計測により実験的に考察するものである。二名による言語コミュニケーションに伴う脳波を話者二名から同時に計測し、参加者の脳内・脳間の同期的神経活動を解析することで、実時間言語コミュニケーションにおける対人相互作用に特化した神経活動の検出を試みる計画であった。しかしな、コロナ禍によって脳波計測実験を行うことが不可能になったため、質問紙による文理解判断と「日本語版対人反応性指標」を用いた実験参加者の社会性との相関を解析することにより、言語行動の社会的側面を考察した。 質問紙調査の結果、社会的上下関係を反映する敬語使用について以下が明らかになった。(1) 男性の方が女性よりも非典型的使用例について寛容である、(2) 女性の場合、他者の視点を取得する傾向の強弱に応じて、敬語使用例に対する正誤判断が変化する、(3) 男性の場合、他者の心情に共感する傾向の強弱に応じて、敬語使用例に対する正誤判断が変化する。 この結果は、一般にノイズと見られることの多かった、言語使用における個人差に、個々人の社会性に応じた規則性があることを示していて、言語コミュニケーションに伴う神経活動においても、性差ならびに社会性個人差に応じた変化があることを示唆している。
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