2022 Fiscal Year Annual Research Report
An investigation of honorifics and benefactives in modern Japanese: how people's awareness of politeness has changed in the process of gradual decrease in deference
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18K00583
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
滝浦 真人 放送大学, 教養学部, 教授 (90248998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎名 美智 法政大学, 文学部, 教授 (20153405)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | イン/ポライトネス / 授受表現 / 敬語 / 東アジアの語用論 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、コロナ禍による延長を経た最終年度として、これまでの成果をとりまとめた出版など、研究成果発表を中心に行った。 本研究課題との関連が最も密接なベネファクティブ「させていただく」をめぐる論集『「させていただく」大研究』を年度内に上梓できたことは大きい。かつての研究集会で講演や発表を行った(行う予定だった)論者たちの論考を集め、そこに共編者として本研究の責任者と分担者による概観論文と共著論文を付した論文集として刊行した。各論者とは最終稿に至るまでの過程で編者と活発な意見交換を行って、共通の研究成果としての質の担保を図った。年度内には間に合わなかったが、もう1つのテーマとして「イン/ポライトネス」を掲げた論文集も、同様に本研究の責任者と分担者を共編者として、イン/ポライトネス研究に携わってきた研究者を集める形で刊行することができた。 海外への発信という観点で続けている「東アジアの語用論」に関しても、国立国語研究所の企画でDe Gruyter Mouton社から刊行された論集で英語論文を発表できたほか、中国・韓国の語用論学会との連携による出版企画に参画し、日本におけるイン/ポライトネス研究の沿革を英語での報告書として発表することができた。 分担者も、上記共編著書などのほか、チャールズ1世の裁判記録に基づいた力と距離のストラテジーを考察した英語論文などを発表した。また、学会等から招聘されて3回の講演を行い、本研究の成果を交えて発表した。 研究期間全体を通じた成果としては、研究課題名「近現代日本語におけるポライトネス意識の通時的変化の研究:敬語と授受表現をめぐって」にあるとおり、「近現代日本語」において人々の「ポライトネス意識」がどのように変化してきたかを、「敬語」や「授受表現」のコーパス調査などから明らかにするという課題を、満足のいく水準で遂行できたものと考えている。
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Research Products
(14 results)