2022 Fiscal Year Research-status Report
表現媒体としての問答テキストの系譜から見る近代西洋人の官話研究
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18K00591
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
塩山 正純 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (10329592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朱 鳳 京都ノートルダム女子大学, 国際言語文化学部, 教授 (00388068)
伊伏 啓子 福岡大学, 人文学部, 講師 (40759841)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 近代中国語 / 近代欧米人の中国語研究 / 官話 / キリスト教宣教師 / 外国語としての中国語 |
Outline of Annual Research Achievements |
課題メンバーの個別の研究業績については、業績一覧に挙げるが、年度半ばよりコロナによる活動制限が徐々に緩和されたことにより、過去2年間に予定したものの先送りしてきた図書館・資料館・学術機関での実地調査を再開し、宣教師が官話で執筆した一次資料を複数収集することができた。メンバー3名がいずれも前年度に続いて既に調査・収集した資料を活用することで成果を報告・論文として公表した。一方で、予算執行査読を通過してエントリーした国際シンポジウム(韓国での開催)はオンライン参加による報告となり、またメンバー揃っての資料調査も延期したことから、旅費で執行を予定していた研究費は再度繰り越すこととなった。 成果については、新たにスタートした22K00518の成果と合わせて以下の通り口頭発表した。国際シンポジウムでは、(1)5月に東アジア文化交渉学会第14回年次大会(SCIEA 14th Annual Meeting)(オンライン開催、開催ホスト:韓国啓明大学校)で3名が報告し、(2)10月に世界漢語教育史研究学会第13回年会(オンライン開催)で1名が報告した。また、国内の研究会では、(3)10月に2022年度第3回KU-ORCAS研究例会-言語交渉研究班-(第4回東西学術研究所研究例会)(オンライン併用、関西大学)で1名が報告した。年度中に、研究論文としての発表は無かったが、次年度以降に上記の各口頭発表をもとにして順次公表する予定である。 なお、上記の各成果の基礎データとして活用した収集資料の電子テキスト化も順調に進捗しており、着実に本課題による成果の一部として蓄積されている。さらに継続的に関連テーマの研究に活用していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」欄で述べたように、研究活動については2022年度もメンバー全員が国際シンポジウムで成果を口頭報告するなど、論文による公表にまでは至らなかったものの、複数の中間成果を発表することができ、おおむね順調に進捗した。一方で、予算執行の面では、新型コロナによる行動制限が徐々に緩和されつつあったが、メンバー全員が容易に海外渡航できる状況ではなかったために、複数回予定していた資料調査・国際シンポジウムでの報告も、実現できたのが一部分のみとなり、予定していた費目での研究費執行に影響があったことは否めない。
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Strategy for Future Research Activity |
過去2年間の活動は、新型コロナウイルス感染症流行が原因の行動制限に大きく影響されたが、制限が緩和され、状況がかなり改善されてきたことで、2023年度については、従来に近いかたちで積極的な活動が可能になると考えている。すでに、5月GWの国際シンポジウムでメンバー2名が口頭発表で中間成果の報告を行うことができた。但し、当該シンポジウムも中国での開催であったことからビザ・移動手段の問題でオンライン参加となり、予算執行という面では引き続き状況をみながら臨機応変に考えざるを得ないと考えているが、発表の機会は積極的に利用していきたいと考えている。 一方で、コロナ前から複数回を予定していた海外をはじめとする各機関での資料調査については、22K00518等の新たな研究課題のプロジェクトと同時進行でコラボするかたちでさまざまな資源を有効活用し、調査対象と範囲に関して入念に事前ミーティング等の準備を整えて、年度内に複数回実施できるように算段している。また同時に、コロナ禍での移動の不自由さを逆手に順調に遂行してきた資料のテキスト化についても、これまでと同様に現在までに収集・蓄積してきている資料について、各自のテーマでさらに詳細に内容に関するテキスト化の作業と考察を行なっていく予定である。
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Causes of Carryover |
「研究実績の概要」及び「業績」欄でも記述した通り、2022年度の研究活動の成果発表はおおむね順調に進捗した一方で、緩和させつつあったとはいえ新型コロナによる行動制限の影響は否めず、複数回予定していたメンバー全員による資料調査・国際シンポジウムでの報告がいずれも中止或いはオンライン参加という状況となり、予定していた費目の研究費執行に大きな影響があった。今年度は状況が大きく好転しており、メンバーの所属先における出張の扱いも緩和されてきたことから、入念にプランを準備した上で、必要不可欠な資料調査・成果報告出張についてできるだけ実施することを予定している。
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Research Products
(5 results)