2023 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding narrow syntax as the core of the language organ: Toward its further minimization and simplification
Project/Area Number |
18K00592
|
Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
野村 昌司 中京大学, 国際学部, 教授 (60410619)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | MERGE / pair-Merge / Head Movement / Miracle Creed / Strong Minimalist Thesis / Chomsky |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度からこれまでの研究成果を踏まえ、総括を進めてきた。しかし理論的枠組みが2022年度末頃に提案された、Chomsky (2022, 2023)の枠組みへと大きくシフトし、その枠組みのもとでは、これまで議論の中心にあったpair-Merge及びFSQといった補助的操作に関する理論的根拠がほぼ失われてしまったと言っても過言ではない。そのような状況下の中、2023年度は、総括を行いつつも、最新の理論研究に詳しい研究協力者と研究打ち合わせを頻繁に行い、最新の理論的枠組みへの理解を深めることに努めた。最新の理論(Chomsky et al. 2023)では、通常の移動操作の考え方自体もこれまでとかけ離れたものとなり、主要部に関する操作も例外ではない。よって、現理論的枠組みが正しい限りにおいて、これまでのpair-Merge分析による主要部に関する研究は統語部門ではなく、形態・音韻部門で扱われるべき問題という認識が一層色濃くなり、最新の理論的枠組みにおける研究成果を挙げるに至っていない。しかし、このような流れの中、本研究に関わる言語現象に対する新たな研究指針を掲げ、現在その方向性で研究を再開している。それはこれまでの主要部に関する研究を振り返ることで発見できた研究指針であり、そのアプローチ自体は現在の理論的枠組み、及び今後理論的進展があったとしても大きな影響を受けないものと考えられる。よって、本研究課題の研究期間は2023年度で終わりを迎えてしまい、総括もまだ途中段階ではあるが、2024年度以降も継続して研究を行い、その成果を発表する予定である。
|