2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K00619
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
福沢 将樹 愛知県立大学, 日本文化学部, 教授 (30336664)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 注釈 / 草子地 / 物語論 / 談話分析 / 文章論 |
Outline of Annual Research Achievements |
「草子地を再考する─〈注釈〉という機能を中心に─」(『表現研究』108号、2018年10月)およびその元になる「草子地を再考する―〈注釈〉という機能の広がり―」(第55回 表現学会全国大会シンポジウム、2018年6月2日)において、物語論における「草子地」という概念を、「注釈」という側面から見直し、更に「注釈」的な機能についてその概念の整理を試みた。 「読者/聞き手を再考する――玉上「三人の作者」「二種の読者」論から――」(物語研究会3月例会 ミニシンポジウム、2019年3月16日)において、「作者」(或いは話し手)・「読者」(或いは聞き手)について、物語論的分析と社会学的談話分析との橋渡しを試み、「注釈」を行う表現主体の位置づけに向けての基礎研究とした。 「事態継続と期間継続─中世抄物を中心に─」(青木博史ほか編『日本語文法史研究4』ひつじ書房、2018年10月)において、アスペクト表現を2分類し、狭義の〈事態〉そのものを描く場合と、一段上位のレベルの描き方をする場合とに区別する見方を提示した。このうち後者のレベルが〈注釈〉という機能と微妙に関係することになるはずである。 「2016年・2017年における日本語学界の展望 文章・文体(理論・現代)」(『日本語の研究』14-3、2018年8月)は、日本語学界における文章論の理論研究を展望した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学会や研究会のシンポジウムの機会を利用し、口頭発表2回と、それに基づく活字化1本を公表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
使用する談話資料の確定を急ぎ、それに基づくデータ収集・整理を始める。
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Causes of Carryover |
秋口以降体調すぐれず、また本務に忙殺されて思ったほどの研究時間が取れなかった。今後は書籍の購入や旅費に使用する予定である。
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