2018 Fiscal Year Research-status Report
A Geolinguistic Study on Religious Vocabulary of Several Settlements Founded by Nagasaki Catholics at South America and Japan
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18K00620
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
小川 俊輔 県立広島大学, 人間文化学部, 准教授 (70509158)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 地理言語学 / 都市言語学 / 社会言語学 / 宗教生活語彙 / カトリック・コミュニティー / 長崎・福岡・大阪・名古屋 / ボリビア・アルゼンチン・パラグアイ・ブラジル / 南米移住・南米移民 |
Outline of Annual Research Achievements |
【本研究の目的】ボリビア、アルゼンチン、パラグアイ、ブラジル、日本(名古屋、大阪、福岡)には長崎県出身者を中心とするカトリック・コミュニティーがある。いずれも、1950年代以降、長崎からカトリック信者の集団移住がなされた。本研究は、上記5ヶ国7地域および長崎のカトリック・コミュニティーにおける宗教生活語彙を調査・記述し、それを相互に比較して、各地で起きた言語変化の普遍性と特殊性を明らかにすることを目的とする。 【平成30年度の主な研究成果】 《1.国内外カトリック・コミュニティー訪問調査の準備》本年度はアルゼンチン、名古屋のカトリック・コミュニティーの調査、記述を行う計画であった。しかし、校務多忙(学部改組への対応)等の為に、実施できなかった。但し、アルゼンチンについては、現地の日系移住者の方と連絡が取れ、(名古屋ではなく)大阪については、長崎出身でブラジルで日系人の司牧活動を担い、その後、帰国して大阪教区で活躍された神父様の足跡を辿ることができた。両地とも、長期休暇を利用し、令和元年度中の調査を実施する。 《2.研究成果の公表》当該研究に直接に関わる研究成果は、国際学会での発表1回と、紀要論文1本の公表であった。さらに、査読誌への投稿に向けた国内学会での発表が採択された。令和元年5月に発表、7月末までの投稿を予定している。 《3.新たな研究展開》9月に大分大学を会場として開催されたThe 16th International Association of Urban Language Studiesに大会実行委員会・委員として参画し、中・日の都市言語学研究者と学術交流を行った。同大会に参画し、本研究が「都市言語学」における最先端の研究であることが確認できた。国内外における同種の調査・研究と対照させながら、各地で起きた言語変化の普遍性と特殊性を明らかにしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
◆「やや遅れている」と評価した理由 「研究実績の概要」欄に記したとおり、平成30年度はアルゼンチン及び名古屋のカトリック・コミュニティーにおける調査、記述を予定していたが、できなかった。学部再編関係の校務の他、国際会議1つ、国内学会1つの大会実行委員を務め、また、別の国際会議に発表者として参加する為に10日ほど勤務地を離れたため、片道48時間かかる南米への調査期間を確保できなかった。 但し、調査票は既に完成しており、アルゼンチン調査の目処もたった(被調査者が見つかった)ので、令和元年度には確実に調査が実施できると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
【移住地訪問】交付申請書類には、平成30年度にアルゼンチン、令和元年度にパラグアイ、令和二年度にブラジルで調査を実施すると記した。しかし、決定された交付金額から、1度の渡航で南米2ヶ国の調査を実施する必要が生じている。そこで、令和元年度はアルゼンチンとブラジルを同時に調査できるよう、先方と連絡を取り、調整し、実施したい。これにより、平成30年度研究の計画の遅れ(→「やや遅れている」)を取り戻すことができるはずである。 【SNSによる補充調査】本科研に先立つボリビアのカトリック・コミュニティーにおける調査研究では、現地在住の移住者の方々とSNSで繋がることができ、現地調査を補うことができた。令和元年度以降の調査研究においても、まずは現地調査によって関係を築き、必要に応じてSNSによる補充調査を行えるよう心がける。 【研究成果の発表】研究の質を高める為、同じ分野および近隣諸分野の研究者から適切な助言を得たいと考えている。これを実現する為、国内外における学会発表や論文発表を積極的に行う。
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Causes of Carryover |
【次年度使用額が生じた理由】 当初予定していたアルゼンチン及び名古屋への現地調査が実施できなかったため。 【使用計画】 次年度の渡航費に充てる。
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Research Products
(12 results)