2019 Fiscal Year Research-status Report
A Geolinguistic Study on Religious Vocabulary of Several Settlements Founded by Nagasaki Catholics at South America and Japan
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18K00620
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
小川 俊輔 県立広島大学, 地域創生学部, 准教授 (70509158)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 地理言語学 / 都市言語学 / 社会言語学 / 宗教生活語彙 / カトリック・コミュニティー / 長崎・福岡・大阪・名古屋 / ボリビア・アルゼンチン・パラグアイ・ブラジル / 南米移住・南米移民 |
Outline of Annual Research Achievements |
■1.アルゼンチン,ブラジル,大阪における長崎系カトリック・コミュニティーへの訪問調査の実施:本年度はアルゼンチン,ブラジル,大阪における長崎系カトリック・コミュニティーの調査を実施した。 ◆①アルゼンチンでは長崎県からボリビアのサンフアン移住地に渡り,その後,アルゼンチンに転住をされた方々への訪問調査を実施した。同国ウルキサ移住地において,赤島献国さん(長崎県久賀島ご出身)宅で寝食を共にし,聞き取り調査を行い,また,赤島さん親子が残された貴重な文献資料,写真資料等をお預かりできた。◆②ブラジルでは,上記サンフアン移住地よりサンパウロに転住された畑原キヌ子さんにお目にかかり,聞き取り調査を行った。また,Belo Horizonte市の養老院を訪問し,かつてサンフアン移住地の初代主任司祭を務め,後に,サンパウロの日系人が集うサンゴンサロ教会でも司牧を担当されたManuel Fernandez HERCE神父への面会を行った。その場で,非売品・私家版の同神父の自伝をお貸しいただき,写真データ化することができた。◆③大阪では,長崎県久賀島ご出身で,ブラジルで日系人の司牧活動を担い,その後,帰国して大阪教区で司牧された宮本勝美神父の司牧教会(カトリック浜寺教会)を訪問し,同神父の書かれた非売品・私家版の著書を多数,確認,調査することができた。また,長崎県福江島出身で同教会の信徒会長をお務めの岡本ふみ枝さんにお目にかかり,長崎から大阪へのカトリック信者の移動・移住の歴史についてご教示いただいた。
■2.研究成果の公表:当該研究に直接に関わる研究成果は,国際学会での発表1回と,国内学会(全国規模)での発表1回であった。後者の発表を,国内学会誌(査読付)へ投稿することを目標にしていたが,叶わなかった。次年度中の掲載を目指したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アルゼンチン及びブラジルでの所期の目的の調査を実施することができたのは,大きな前進であった。また,大阪でも実地調査ができた。2019年度は,一気に研究が進展した1年であったと総括できる。研究期間は残り2年となった。上記地域における再調査は基本的にはオンラインで実施できるだろう。他方,実地調査が未実施の地域として,パラグアイ,名古屋,福岡がある。まず,人探しからはじめ,当初の研究計画通りに本研究を実施・推進していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
■1■この「実施状況報告書」の執筆時点(2020年4月22日)において,世界的規模で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行しており,国内外を問わず,訪問調査の実施が困難な状況となっている。この状況下にあって,本研究を推進するために,以下の2つの方法を取ることとする。 ◆①文献調査:これまで,ボリビア,アルゼンチン,ブラジル及び日本国内(長崎,東京,大阪)で収集した大量の文献資料,写真資料がある。これらの資料の整理,分析を進める。◆②SNS等によるオンライン調査の実施(補充調査):これまで訪問調査を実施してきた地域(ボリビア,アルゼンチン,ブラジル,大阪)の方々とは,SNS等を通じたオンライン調査が可能である。必要に応じて,この手段によって補充調査を実施する。 ■2■研究成果の発表:研究の質を高める為,同じ分野および近隣諸分野の研究者から適切な助言を得たい。これを実現する為,国内外における学会発表や論文発表を積極的に行う。 ■3■パラグアイ調査の準備:2021年度(最終年度)にパラグアイ調査を実施できるよう,2020年度中に話者(調査協力者)を探し,連絡をとる。既に,2019年9月にブラジル・サンパウロで開催された日本語・日本語教育系の国際会議シンポジウムに於いて,パラグアイ日系社会ご出身で現地で日本語教師をされている方と知己を得たので,この方を通じて,話者探しを進める。
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Research Products
(5 results)