2021 Fiscal Year Research-status Report
A Geolinguistic Study on Religious Vocabulary of Several Settlements Founded by Nagasaki Catholics at South America and Japan
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18K00620
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
小川 俊輔 県立広島大学, 地域創生学部, 教授 (70509158)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 地理言語学 / 都市言語学 / 社会言語学 / 宗教生活語彙 / カトリック・コミュニティー / 長崎・福岡・大阪・名古屋 / ボリビア・アルゼンチン・パラグアイ・ブラジル / 南米移住・南米移民 |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研の研究代表者は,昨年度の「実施状況報告書」に次のとおり記した。 「この「実施状況報告書」の執筆時点(2020年4月22日)において,世界的規模で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行しており,国内外を問わず,訪問調査の実施が困難な状況となっている。この状況下にあって,本研究を推進するために,以下の2つの方法を取ることとする。①文献調査:(詳細省略),②SNS等によるオンライン調査の実施(補充調査):(詳細省略)」 以上の「実施状況報告書」の記載から約1年が経過し,いま,2021年度の「実施状況報告書」を書いているが(執筆日:2022年5月11日),結局,COVID-19のパンデミックは収まらず,国外への訪問調査は不可能であった。それで,①・②に書いたとおりの方法で,研究を進めることになった。 ①については,研究成果の一端を「ボリビア多民族国サンフアン移住地におけるカトリック教会の創成と発展(2) ―太郎神父,次郎神父,2人の信徒の活動を中心に―」(『県立広島大学地域創生学部紀要』1, pp.171-183, 2022年3月15日)との題目で研究論文として公表した。 他方,国内ではワクチン接種が進み,一時的に感染者がゼロに近くなった時期を見計らい,長崎県の五島列島の久賀島(2021年12月)と福江島(2022年3月)を訪問調査した。久賀島での調査では,五島列島から北九州市域へのカトリック信者の集団移住の実態を新たに把握し,同市在住の方を対象とする聞き取り調査を行った。また,福江島の調査では,ボリビア及びアルゼンチンに移住された久賀島出身者についての(ア)史料調査,及び(イ)福江島在住の親戚の方々に対する聞き取り調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の研究計画では,2020年度にパラグアイ,名古屋,福岡を訪問し,調査を行う予定であった。しかし,COVID-19のパンデミックにより,2020年度に続き,2021年度もそれが叶わなかった。当初の計画から考えれば,現在までの進捗状況については「遅れている」と総括せざるを得ない。 また,2021年度は,当初計画では本科研の最終年度であったが,上述のとおり,調査を実施できなかったので,1年間の研究期間延長を申請し,認められた。
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Strategy for Future Research Activity |
■1■この「実施状況報告書」の執筆時点(2022年5月11日)において,世界的規模での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大は収まらず,2020年度と同様に,国外調査は困難な状況となっている。この状況下にあって,本研究を推進するために,以下の2つの方法を取ることとする。 ◆①文献調査:これまで,ボリビア,アルゼンチン,ブラジル及び日本国内(長崎,東京,大阪)で収集した大量の文献資料,写真資料がある。これらの資料の整理,分析を進める。◆②SNS等によるオンライン調査の実施(補充調査):これまで訪問調査を実施してきた地域(ボリビア,アルゼンチン,ブラジル,大阪)の方々とは,SNS等を通じたオンライン調査が可能である。必要に応じて,この手段によって補充調査を実施する。 ■2■研究成果の発表:研究の質を高める為,同じ分野および近隣諸分野の研究者から適切な助言を得たい。これを実現する為,国内外における学会発表や論文発表を積極的に行う。幸い,学会についてはオンライン開催が定着し,本科研の研究代表者も,2022年3月開催の第46回社会言語科学会研究大会において「高度経済成長と方言分布 ―太平洋ベルト、集団就職、キリシタン語彙―」との題目で招待発表を行うことができた。2022年度は,国際会議への応募,発表を検討したい。他方,既に必要十分な資料が収集されたボリビアについては,その成果を著書として公刊できるよう,準備を進める。
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Causes of Carryover |
【次年度使用額が生じた理由】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより,当初予定していた国内外における訪問調査が実施できなかったため。 【使用計画】次年度使用額は203,750円である。調査予定地のうち,ワクチンの接種が進み,集団免疫が獲得された国・地域を訪問し,調査を実施する。
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Research Products
(4 results)