2019 Fiscal Year Research-status Report
Creating French-English Bilingual Parallel Digital Edition of Ancrene Wisse for Lexical Comparison of French and English
Project/Area Number |
18K00648
|
Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
谷 明信 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (90236670)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | Ancrene Wisse / parallel corpus / French text / lexical studies / phraseology / lexical comparison |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は本研究の2年目で、写本ファクシミリ版により、 作成した校訂版に基づく電子パラレルテキストのフランス語の部分を照合し、修正を施し、フランス語版をdiplomaticテキスト化し、年度後半には、写本との照合作業を行う予定であった。昨年度、Ancrene Wisse2写本の標準校訂版テキストであるEETS o.s. 219とEETS o.s. 240を使用して、 (1)Part 4のテキストをスキャナにより画像化し、さらに、 (2)OCRソフトを用いて電子テキスト化し、そのテキストを英語版の4写本の該当箇所に並べるalignmentの作業により、コーパスの1/3の作成を完了した。 本年度は、昨年度に引き続き、コーパスの残っていた2/3の部分の作成作業を完了した。しかしながら、完成したコーパスを用いて語彙比較の研究を実際に行ない始めると、作成したパラレルコーパスのalignment (英仏テキスト間の対応のさせ方)では、予定していた語彙研究に不適切なことがわかり、アラインメントの作業を全面的にやり直し、パラレルコーパスの改訂版を作成した。 現状はBritish Library, Cotton Vitellius F.vii のフランス語校訂版と英語のパラレルテキストのアラインメントの改訂を終え、パラレルテキストの改訂版を完成した。したがって、主要研究目的の一つである、Ancrene Wisseの英語版とフランス語版の語彙比較の研究を行う準備ができた。ただし、本来の予定であったフランス語版写本からdiplomaticテキストを作成することは時間的に不可能になった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
上述の様に、残っていたパラレルコーパスを作成に後、パラレルコーパスのアラインメント自体をやり直して、より詳細に語彙比較をできる様にコーパスを改訂した。すなわち、4つの英語の写本のテキストに対して、電子化したフランス語を付す形で元々パラレルコーパスを作成したが、これでは英語写本の一つ一つのテキストとフランス語のテキストの比較対象が非常に複雑になり、時間がかかることが判明した。そのため、英語の写本のテキスト1つにフランス語写本を対応させる形で、パラレルコーパス全体の仕様を変更する作業を行った。この作業に大幅に時間を取られたために、研究の進捗が遅れた。
|
Strategy for Future Research Activity |
本来、フランス語写本から作成したdiplomatic textによるパラレルテキストの作成を目指していたが、時間的に困難なため、これを断念する。その代り、British Library, Cotton Vitellius F.vii の校訂本による電子テキストと、英語の4写本のテキストの比較に注力して、本来の主要目的の一つである、英語版とフランス語版との語彙比較を行い、研究の遅れを取り戻すことを目指す。また、今後はコーパスに基づいて発表を行っていく。
|
Causes of Carryover |
今年度は、コーパスの作成完了と、さらにその改訂版の作成に時間を取られたために、他の作業にまで時間を取ることができず、そのために、予算を使うことができなかった。特に写本のファクシミリ(=画像ファイル)を購入できなかった。また、本来であれば、改変途中のデータを持って2月後半に連合王国の研究者を訪ね、意見交換をする予定であったが、これもcovid-19のために、訪問自体ができなくなった。 covid-19による感染拡大がまだ止まっていないために、連合王国の研究者との交流は現状でも予断を許さないが、可能になれば、連合王国を訪れ意見交換を行い、研究を促進する。不可能な場合は国内の研究者との交流を行い情報を交換し、研究を深化させる。また、写本ファクシミリは、校訂版を使用する際にも参照の必要があるため、購入できていない写本ファクシミリを購入する。
|