2019 Fiscal Year Research-status Report
A Textual Study of the Chronicle of Robert of Gloucester
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18K00658
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
狩野 晃一 明治大学, 農学部, 専任講師 (90735648)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 中英語 / ロバート・オヴ・グロスター / 写本 / パラレル・テクスト / 翻訳 / 原典 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、写本からのテクスト転写作業を進めた。また転写作業に協力者を得て、さらにデジタル・テクスト作りをより充実させることができた。また本文の翻訳も始めたことで、テクストのより深い解釈が可能となり、その結果は研究発表へとつながった。 2019年度、本研究費で行なった研究発表は国内1回、海外2回の計3回である。2019年9月にはスペインのバリャドリード大学で行われたSELIM 31学会で、本作品が原典から翻訳される過程に関する発表を行なった。また2019年11月には、ポーランドのポズナン大学で行われたHEL-P 2019学会で、本研究費で行なっているプロジェクトの紹介とパラレル・テクスト構築の意義について実例を交えて発表をした。さらに2019年12月、東京未来大学で行われた日本中世英語英文学会全国大会では、原典からの翻訳技法と本作品に対する批評が前時代的なものであることを明らかにした。 論文は『ロバート・オヴ・グロスターの年代記』研究(3)および『ロバート・オヴ・グロスターの年代記』研究(4)を明治大学教養論集に掲載した。 また海外図書館での現地調査では、ロンドン大学所蔵の写本および紋章院(London, College of Arms)所蔵の写本の写真撮影を行い、現在までに必要な資料をほぼ全て収集した(グラスゴー大学図書館の資料は未調査であり、次回海外出張の際に調査する予定である)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パラレル・テクストの作成に多くの時間を割いている。BL Cotton Caligula A xi写本およびBL Harley 201の転写はほぼ終わっている。またBL Additional 50848写本の転写は終了している。現在はBL Additional 18631写本および19677写本の転写を継続して行なっている。2020年度中にこれらの転写は終了予定である。これらに加えて、原資料写真撮影、研究発表や論文投稿、本文翻訳などもあり、進捗状況としては概ね順調であると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進行中のBL Additional 18631写本および19677写本の転写を継続して行なっていく。同時に今まで転写した写本の見直しを進めるとともに、新たに始めた本文翻訳を紀要等に掲載していく計画である。 新型コロナウィルスの影響で、2020年度前半は予定していた海外図書館での資料調査は難しくなる見通しであるから、手元にある資料等を用いて研究をできるだけ進めておき、パンデミック終息後に海外図書館等で効率的に資料調査ができるよう疑問点等を整理し、準備をする。
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Causes of Carryover |
2020年春に計画していた図書館調査(スコットランド、グラスゴー大学図書館)が新型コロナウィルスの影響でなくなったために変更が生じた。 2020年度は、当初の計画に加え、前年度に行えなかったスコットランドでの調査を組み込む予定である。
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