2021 Fiscal Year Research-status Report
A Textual Study of the Chronicle of Robert of Gloucester
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18K00658
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
狩野 晃一 明治大学, 農学部, 専任准教授 (90735648)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 年代記 / 写本 / パラレル・テクスト / 本文解釈 / 原典批判 / Robert of Gloucerster |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度も前年度に引き続き、パラレル・テクスト作成を進めた。長編版の主要テクスト(BL, Cotton Caligula; BL, Harley; BL Add Mss.; London, College of Arms, Arundel Ms.)について、転写作業は数写本を除き、ほぼ完了している(COVID-19のために写本画像の入手ができないものもあり、こちらについては本年度に再度入手を試みる)詳細な校正などが残っているほか、省略文字の扱い、タグ付与の方法など、実用・運用の面での問題を認識した。 写本転写テクストの公開を始めるべく、Webページの準備を開始した。ページの設置に関しては、所属機関のサーバーを使用するか、あるいは外部の(使用法などに限界はあるものの安価な)サーバーを使用するかを検討中である。転写テクストの表示法は単一テクストと複数テクスト(パラレル版)の2通りを準備している。検索機能など、テクストを有効に利用できる環境整備を進めている。 上記の2項目と同時にテクストの本文解釈も順次行っている(約2000行済)。初期中英語で書かれた韻文の解釈は時に語彙のレベル、文法のレベルで困難がともなう。所々本作品が典拠としているジェフリー・オブ・モンマス『ブリタニア列王史』を参照しながら解釈を進めている。さらにこの本文解釈により、Caligula写本の刊本であるWright、あるいはHarley写本の刊本Hearneに付されているグロッサリーに関し、情報の加筆、修正などの貢献ができるものと思う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウィルス感染症の蔓延により、国内外への研究出張が難しく、さらに各図書館の機能縮小により資料収集ができない状況が続いたため。
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Strategy for Future Research Activity |
未見の写本画像等を取り寄せ、パラレル・テクストの完成を急ぐと共に、転写したテクストをウェブページ等で公開する準備を進める。 本文解釈については、昨年に引き続き確実に訳出作業を進める。
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Causes of Carryover |
コロナウィルス感染症蔓延のため、研究出張ができなかったため、次年度使用額が生じた。感染症の状況を見て研究出張の計画をたて、またこれが叶わない場合には写本画像の入手を急ぐつもりである。
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