2023 Fiscal Year Annual Research Report
A Textual Study of the Chronicle of Robert of Gloucester
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18K00658
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
狩野 晃一 明治大学, 農学部, 専任准教授 (90735648)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ロバート・オヴ・グロスター / 年代記 / 写本 / パラレル・テクスト / 校訂版 / 翻訳 / 初期中英語 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度に行った『ロバート・オヴ・グロスターの年代記』写本画像の収集については以下の通りである。長編版テクスト写本画像収集に続き、短編版の写本画像の収集を行った。今年度はCambridge, Magdalene College Library, Pepys MS 2014の画像取得に成功した。コロナ禍により現地での写真撮影等が困難であったため、当該図書館に依頼をしデータ画像送付の依頼をした。画像到着以降、転写作業を進めた。転写作業途中で写本画像に欠損ページがあることが判明したので、再度画像送付の依頼をし、その到着を待っているところである。 また、昨年度末から始めた当年代記と俗語史料、とりわけ『アングロ・サクソン年代記』との関連について調査を進めた。本研究の一端を令和5年12月に開催された日本中世英語英文学会全国大会で発表した。俗語典拠の年代記への組み込まれ方は、主要典拠である中世ラテン語のジェフリー・オヴ・モンマス『ブリタニア列王史』ヘンリー・オヴ・ハンティンドン『イギリス人の歴史』、さらにアングロ・ノルマン語の緒史料のそれとは異なる。それら主要典拠に欠落していると思われる(重要な)事項を俗語史料によって補完していることを明らかにした。 上記の2件と並列して原典翻訳を行なった(現在も進行中)。基本的にはWrightによる刊本によっているが、WrightがベースにしたCotton Caligula写本は丁寧に筆写された写本であるにもかかわらず、時折詩行の欠落が見られ、諸写本の異同を考慮に入れる作業が不可欠で予想以上に時間がかかっている。
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Remarks |
未完成のため未公開である。
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