2022 Fiscal Year Annual Research Report
A Cognitive Linguistic Analysis of Discourse Logic Patterns Using Corpora of Spoken English
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18K00670
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
長谷部 陽一郎 同志社大学, グローバル・コミュニケーション学部, 教授 (90353135)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 構文文法 / 認知言語学 / 英語話し言葉コーパス / 談話結合子 / 談話論理構造 / モナド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、英語プレゼンテーションのコーパスと検索システムを構築するとともに、それらを利用して英語の話し言葉における談話論理構造のパターンを分析するものである。2022年度には以下の成果があった。 まず、本研究で開発しているシステム「TED Corpus Search Engine(TCSE)」をアップデートした。このシステムでは、TED Talkの英語プレゼンテーションのテキストに品詞解析と統語解析を施し、言語研究・言語教育に役立つコーパスデータの検索が可能である。昨年度に大規模な改良を行い、全体的な性能を向上させるとともに、固有表現の抽出や詳細な文法構造の表示が可能になった。昨年度の段階では新たな成果の公開はできていなかったが、今年度に4,938件のトークを新システムで分析し、その結果をオンラインで公開した(2022年12月24日)。 次に、上記の開発で得られた知見に基づいて、談話における構文の構造と役割を「構成性」、「線条性」、「記号性」という3つの観点から考察した。そして、「モナド」の概念を用いることが有効であることを明らかにし、その成果を「談話結合子による論理展開のパターンについて」というタイトルで発表した。 最後に、上記の研究過程で得られた知見を活用し、以下の付随的な成果が得られた。まず、談話構造と論理展開のメタファー性に関する研究の成果として、Jeannette Littlemore著の書籍「Metaphors in the Mind: Sources of Variation in Embodied Metaphor」の書評を執筆した。また、談話の展開をモナドとして捉える考え方に基づき、大規模言語モデルを用いた談話テキスト分析のためのツール「Monadic Chat」を開発・公開し、その概要を発表した。
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