2018 Fiscal Year Research-status Report
学生は多機関との連携にどう関わることができるか-外国人児童生徒の支援に向けて-
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18K00686
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
川口 直巳 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (60509149)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 外国人児童生徒 / 学生 / 連携 / 教員養成 |
Outline of Annual Research Achievements |
愛知教育大学で必修化された外国人児童生徒に関する授業の受講生や近隣の連携都市の小中学校で外国人児童生徒へのボランティア活動を行っている学生達が、「乳幼児期から青年前期までの多機関との連携にどのような役割を果たせるか」を明らかにし、一方通行の連携になりやすい連携から「学生の関わり」による双方向の連携の可能性を追求するため、2018年度は、主に下記の取り組み(3つの調査)を行った。 これまで試みた連携体制構築の問題点を洗い出すため、2つの調査(調査①ボランティア学生と受け入れ機関からの活動報告書の分析、調査②ブラジル人学校の学園祭参加に関する調査)を行った。調査①では、ボランティア学生とボランティア学生の受け入れ機関からの報告書分析し、ボランティア学生の学びとボランティアをするにあたり抱えている悩み、学生受け入れのプラス面とマイナス面などを分析した。この結果、学校側からの期待を負担に感じているケース、自分の支援内容に不安を抱えているケース、学校側とのコミュニケーションに問題を抱えているケース等が明らかになった。これに対して、ボランティア学生の受け入れ機関は、受け入れにあたり、マイナス面はほとんど感じていないことが分かった。調査②では、大学祭に参加したブラジル人学校の児童生徒と彼らを案内するボランティア大学生へのアンケート調査と学祭への参加の様子を観察した結果、これまで実施してきた参加形態を見直す必要性が明らかになった。 必修化された授業が学生に与える影響を調べるため、調査③ボランティア登録した学生の分析を行ったところ、授業を受けたことで、実際にボランティアをやってみようという学生はほとんどいなかったことが明らかになった。この原因については引き続き分析する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的である「学生の関わり」による双方向の連携の可能性を追求するためには、ボランティア学生を受け入れている機関の実際の受け入れ状況を明らかにするする必要がある。活動報告書からは、受け入れにあたっての問題点は見えてこなかったが、ボランティア学生の状況からは受け入れ側は、様々な問題を抱えていると予想される。これらを明らかにするために、今後どのように、また、誰を対象にインタビュー等を実施したらいいか検討する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、前年度の調査結果を活かし、a~dに取り組む。a連携活動の実施。洗い出したこれまでの連携の問題点から連携の改善案を作成し、ボランティア学生と受け入れ機関に提案し、連携活動をスタートさせる。調査1:年度末に連携における問題点の洗い出しとして学生と受け入れ機関にインタビューを実施(12機関と学生12人)。bスタディーツアーの実施(国内:ブラジル人学校、保育園など 海外:ペルーの日系人学校ラ・ビクトリア校で帰国生徒と日本語を学習するペルー人学生との交流)。これまでとは違った視点で子ども達への支援を考える。ペルーの学校では、主に「日本で教師にこうしてほしかった」などの意見を日本滞在経験のある生徒から直接聞く。c学生の意識調査。調査1:必修化された授業からボランティアを始めた学生へのインタビュー調査。実際のボランティア経験で学んだこと、連携の可能性について、d情報共有会の開催。2018年度、2019年度に行った2年間の学生の関わりによる連携を目指した活動において、学生と受け入れ機関、サポート側である大学との情報を共有する会を開催する。
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Causes of Carryover |
予定していたブラジル人学校での交流会が2019年度に延期されたため、予定していた旅費の一部を次年度使用することにした。
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