2020 Fiscal Year Research-status Report
学生は多機関との連携にどう関わることができるか-外国人児童生徒の支援に向けて-
Project/Area Number |
18K00686
|
Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
川口 直巳 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (60509149)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 外国人児童生徒 / 大学生 / 連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
近隣連携都市の小中学校で外国にルーツを持つ子ども達へのボランティア活動を行っている愛知教育大学の学生が、「乳幼児期から青年期までの多機関との連携にどのような役割を果たせるか」を明らかにし、一方方向からになりがちな連携から「学生の関わり」による双方向の連携の実現に向け、2020年度は主に下記の3つの取り組み(分析、調査、シンポジウムの開催)を行った。 1つ目の取り組みとしては、2019年度に行ったペルースタディーツアーに参加した学生へのツアー参加時の記録ノートの分析を行った。これにより、学生自身はペルーで言葉が分からない学校での教科学習を体験したが、自分が理解できないスペイン語での教科学習内容の理解に意識が向くのではなく、教員の教え方など教員側に意識が向いていること等が明らかとなった。 2つ目の取り組みは、スタディーツア―に参加した学生へのインタビューである。2020年度に行われた教育実習を経て、4月から教員や大学院生になる学生に、自分自身が書いた記録ノートを振り返ってもらってから、スタディーツア―が現在の自分にどのような影響を及ぼしているのかを聞き取った。 3つ目の取り組みとして、シンポジウム「日本社会に暮らすブラジルの子どもたちの明るい未来を目指して~ブラジルから見た日本」という視点を取り入れて~」の実施である。これにより、外国から日本を客観的に見る機会を設け、そのうえで日本で暮らす外国にルーツのある子ども達の将来を考えることを目指した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の目的である「学生の関わりによる双方向の連携の可能性」を追求するために、本来であれば、聞き取り調査と情報共有会を行う予定であったが、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、学校現場や教育委員会も余裕がない状況で実施が困難である。今年度についても依然として厳しい状況であるため、違う形で調査を実施する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度についても新型コロナウィルス感染の状況が依然として厳しい状況であるため、研究スタート時に予定していた情報共有会の実施は難しいと思われる。従って、最終年度である今年度については、a~cの取り組みを実施予定である。 aボランティア受け入れ側である学校現場や教育委員会へのアンケート調査を基本にした調査 bボランティア学生へのアンケートとインタビュー調査(ペルースタディーツア―に参加し、現在教職に就いている教員も含む) cシンポジウムの実施。シンポジウムでは研究の総まとめとして、第三者の評価者にも参加していただき、連携の難しさとその原因、解決策を探る場とする。 これらの取り組みにより、「学生の関わりによる新たな連携体制の構築」の提案を行う。
|
Causes of Carryover |
コロナウイルス感染拡大の影響が予想以上に長く続き、予定していた情報共有会の実施等ができなくなったため、予定していた旅費等を次年度に使用することとした。
|