2018 Fiscal Year Research-status Report
留学生受け入れ機関のための,教科と日本語をつなぐ,語彙・文型シラバスの構築と活用
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18K00697
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
喜古 正士 早稲田大学, 総合研究機構, その他(招聘研究員) (90632183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岡 邦行 日本工業大学, 共通教育学群, 講師 (50757333)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 日本語教育 / 専門語 / 専門日本語 |
Outline of Annual Research Achievements |
《目的・計画》 本研究の目的は,理工系留学生のための“専門分野の基礎的な学習”の効率を上げる方法を示すことである。そのためのアプローチとして,本研究では教育機関の専門分野と日本語教育がシラバス策定の際に共通して参照できるデータを構築することを目指す。本研究が当面の対象とするのは,大学入学程度の理科・数学の日本語とする。留学生の学習履歴については,当面の調査対象はミャンマーの留学生とする。具体的には,「科目の学習を効率的に行う」という視点から,「重要度の高い語彙」と「科目に特徴的な文体」を調べ「難易度との相関」を検討するという3点の興味を軸に語彙・文型シラバスの新しい形を探るものとする。平成30年度は以下の2項目を中心とした研究計画を立てた。 ・日本留学試験(EJU) の問題を参考に,単元毎の代表的な出題を選定する ・ミャンマーの教科書から単元毎の学習内容を調査する 《概要》 主な対象テキストとして「日本留学試験」「検定教科書」「(ミャンマーの)国定教科書」を用いた。物理・数学分野においては,いわゆる公式の使われ方を調べることで,従前の国別の教科書内容比較よりもより現場の実態に即した比較が行えることを報告した。具体的には,「物理における力学分野の教授コンセプト」や「数学におけるベクトルの導入と活用」の仕方が明らかに日本の検定教科書におけるそれとは異なることを報告した。また,単元毎の学習内容・出題を調査する過程で「教授言語としての日本語」の特性に関して新たな着眼点が得られたことも報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
物理・数学の単元毎の学習内容調査から,当初予想よりも大きな異なりを観測することが出来た。そのため,より深い学習内容調査が設計できる可能性が生まれた。この結果を活かすために,当初予定よりも調査項目を増やしたため,それらをまとめるのに時間を要しているが,今後は当初計画よりも研究を深めていけると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に報告まで至らなかった内容を整理しながら,当初の計画通り, ・語彙及び機能表現の分類基準を作る ・ミャンマーの教科書から単元毎の学習内容を調査する ・日本留学試験から抽出された代表的な出題より,学習履歴を調査するテキストを作る ことを中心に据えて研究を遂行する。
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Causes of Carryover |
当初計画に新たな項目を加えたため,成果発表が一部繰り越されたため。 本年度実施にいたらなかった報告を含め,期間や方法を見直しながら当初計画を進める。
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