2021 Fiscal Year Research-status Report
コーパスツールユーザーを育成するための教材開発とその検証
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18K00701
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Research Institution | Ritsumeikan Asia Pacific University |
Principal Investigator |
寺嶋 弘道 立命館アジア太平洋大学, 言語教育センター, 准教授 (90454967)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | コーパス / コーパスツール / コロケーション / ライティング |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、研究協力者の板井芳江氏とともに、以下の活動を行った。 1)20年度に実施したコーパスツールワークショップのデータ、また、その後のライティング活動によって得られたデータの分析及び考察を行った。ワークショップに参加した20名の日本語学習者に「ライティングにおけるコーパス活用モデル」に従い、エッセイを作成してもらったところ、エッセイの得点が高いグループはコーパスツール使用時の誤用が少なく、ツールの使用数が多い傾向にあった。一方、エッセイの得点が中程度から低いグループでは、ツールの使用数の少なく、ツール使用時の誤用(コロケーションの誤用、節での誤用)が多い傾向が見られた。学習者の誤用は、「脱落」、「付加」、「語形成」、「混同」、「その他」に分けられ、最も多かったのはコロケーションにおいても、節においても「混同」であった。その後、短文完成のプロセスを加えた新たな「ライティングにおけるコーパス活用モデル」に従い、3名の学習者にライティング活動に参加してもらったところ、ツールの使用数が増え、誤用が減少する傾向が見られた。ツールの使用が増えたのは、①語彙ネットワークから短文、短文からエッセイ、②語彙ネットワークからエッセイ、③短文からエッセイ、④エッセイのみといった多様なパターンでツールが使用されるようになったからであった。この論文は査読付きジャーナルに投稿したものの、不採択となったため、分析方法の修正を行い、再投稿をする予定である。 2)これまでの研究成果を一つの教材としてまとめ、それを公開するためのウェブサイトの基礎部分を作成した。具体的には、ウェブサイトの構造設計とデザイン、動画のためのスクリプトの作成やスライド、イラストの準備などであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスにより、対面でのデータ収集が行えなかったこと、論文の修正が必要となり、研究成果の発信が遅れていること、ウェブサイトの開発が遅れていることから、「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
論文の修正を行い、研究成果の発信をする予定である。また、ウェブサイトでの教材開発を進め、それに基づいたライティングの活動を対面で実施し、データ収集を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスにより、オンラインでの学会参加になったこと、対面でのデータ収集ができなかったこと、Wixのウェブサイトビルダーを無料で用いていること、現段階で翻訳の必要性がなかったことが原因である。次年度はウェブサイトの開発、対面でのデータ収集、及び対面での学会の参加を計画している。
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