2018 Fiscal Year Research-status Report
困り感のある外国人児童生徒への日本語教育と発達障害教育を融合させた支援策の研究
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18K00702
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Research Institution | Aichi Sangyo University |
Principal Investigator |
川崎 直子 愛知産業大学短期大学, その他部局等, 准教授(移行) (00461939)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 日本語教育 / 特別支援教育 / 外国人児童生徒 / 年少者日本語教育 / 地域日本語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.当初の計画であった研究協力者とは7回の検討会議を持つことができた。2.当初の計画であったアンケート調査は愛知県内特別支援学校から回答を得ることができた。3.当初の計画であった第1回シンポジウムを2018年12月1日に名古屋市ウインクあいちで開催し、会場の定員数を超える申し込みに断らざるを得なかった。 本研究は発達障害の専門家から協力を得ることが重要なため、2018年度は特別支援学校の教員、愛知県教育委員会特別支援教育課、児童精神科医、発達障害の研究者、障害者支援員、心理士など、多くの人たちから話を聞き、つながりを持つことができた。また、第1回シンポジウムの開催によって、40人の参加者とのネットワーク作りができた。 アンケート項目の設計には時間がかかり、5回の検討会議を経て概要が決定した。その後、豊田市で外国人の子どもの発達障害の調査を行っている児童精神科医の助言が得られ、最終的なアンケート項目が作れた。 当初は公立小学校の教員を対象に大規模アンケート調査を行う予定だったが、予想以上に愛知県教育委員会の壁は高く、学校教諭にアンケートを取ることは不可能であることからあきらめることとなった。しかし、愛知県教育委員会特別支援教育課が別の協力体制の提示があり、愛知県内の特別支援学校の担当者にアンケートを取ることができた。外国から来日したばかりの子ども、あるいは、日本生まれであっても日本語が不十分な子どものなかに特別支援学校に通う子どもの存在があることを知ることができた。今まで研究者は、公立小中学校内の特別支援学級に在籍する子どもの日本語指導はしてきたが、特別支援学校の外国人児童生徒について今後多くの指導者に知ってもらいたいと思っている。そこで、2019年度初めの研究として、愛知県内の特別支援学校での外国人児童生徒の教育支援についてアンケート調査の結果から論文を書くことにしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
公立小中学校の教員へのアンケート調査の許可が愛知県教育委員会から得られず、2018年度に実施することは断念した。しかし、その一方で、愛知県教育委員会特別支援教育課の計らいにより校長会でアンケート調査の協力を訴える場をいただき、郵送の段取りを話したところ、多くの学校から回答をもらうことができた。 公立小中学校の教員対象のアンケートは2019年度に持ち越すか、あるいは、小中学校の日本語学級の加配教員に的を絞るか、日本語指導に携わる教員・指導者に調査依頼をするか、現在思案しているところである。アンケート調査方法を再考して2019年度に実施することにしている。
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Strategy for Future Research Activity |
調査済みの分析結果を日本LD学会、あるいは日本語教育学会で口頭発表したいと考えている。 外国人児童生徒の発達障害とことばの関係について秋の日本語教育学会でパネルセッションに応募する予定である。 今年度は外国人児童生徒対象の日本語教育教材と日本人対象の小学校低学年の特別支援教育教材の教材比較・教材分析をして、最終的な目標である日本語教育と発達障害教育を融合させた外国人児童対象の教材開発に結び付けたい。 また、平成31年度は最低でも2本の論文を執筆して、口頭発表、パネルセッション、論文と、科研費での研究成果を公にしたい。
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Causes of Carryover |
インタビューの謝礼で人件費をとっていたが、30年度はインタビューができなかったため、予算額に差が生じた。
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