2021 Fiscal Year Research-status Report
Creating a corpus based educational word list for learners of Japanese - 6000 words for reading -
Project/Area Number |
18K00708
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
本田 ゆかり 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 研究員 (00817413)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 日本語教育 / 語彙リスト / コーパス / 日本語教科書 / 基本語彙 / 日中同形語 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.日本語教科書タグの付与:初級日本語教科書語彙リストを作成したが、日本語教科書にある単語リストや索引の語の単位は、本研究で開発している6000語リストの短単位とは異なる。そのため、初級日本語教科書語彙リストのほうを短単位に整理し、データを6000語リストに統合して日本語教科書のタグを付与した。また、日本語教科書語彙リストにある複合語と接辞を6000語リストに組み込むためデータを整理した。 2.日中同形語タグ付け:世界の日本語学習者の中で中国語母語話者は大きな割合を占めるが、日本語と中国語で意味と形が同じであるいわゆる日中同形語は、中国語を母語とする学習者にとって習得が容易である。一方、形が同じでも意味範囲の重なりが完全に一致しているわけではない意味の一部だけを共有するタイプの項目は誤用を招きやすく、かえって習得が難しいことも想定される。日中同形語の分類は、同じか異なるかという単純な区別ができない例が多くグラデーション的であるが、それが中国語母語話者にとっての日本語の語彙の難易度に深く関わっているとみられる。そこで、先行研究の日本語と中国語の語彙の類似度を分析した指標を本研究のデータに統合し、中国語母語話者にとっての語彙の難易度を検討している。この難易度に沿って6000語リストの項目にタグ付けをする計画である。 3.初級日本語教科書語彙チェッカーの公開:初級日本語教科書語彙データをもとに、語彙チェッカーを開発した。近々、最終的なデータの確認を行ってから公開する予定である。このツールはWeb上で利用可能で、調べたい単語やテキストに含まれる語彙が主要な初級日本語教科書に掲載されているか否かを確認することができる。このツールは日本語を教える教師がテストや教材で使う語彙を検討したり、日本語の学習者が初級段階での重要語彙をチェックするのに利用することを想定して作った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症が流行し、生活維持や育児と研究業務の両立が難しい時期があった。また、個人的な理由だが研究代表者の生活拠点の海外移動が三度あり、その都度、手続きや生活の立ち上げ等に時間を要してしまった。本研究は個人研究であるため、研究代表者の時間的な制限が研究の進捗に直接的に影響してしまい、計画通りに進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は生活が軌道に乗り研究時間も安定的に確保できるようになった。しかし、本研究期間中は上記のような出来事が重なり十分な時間を取ることができなかった。そのため、研究を開始した当初はコーパスを分析して日本語教育基本語彙とできる語数を統計的に検証するところまでを範囲に含めていたが、個人研究で残り1年以内にすべて終わらせることは難しいため、この分析は含めず、今後の課題とすることにした。残りの期間では6000語の基本語彙リストを完成させることに集中したい。
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Causes of Carryover |
延長のため、使用した経費はありません。
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Research Products
(3 results)