2020 Fiscal Year Research-status Report
A Study of Cross-Cultural Communication in Japanese Companies in ASEAN Countries
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18K00709
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
大津 友美 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 准教授 (20437073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 嘉名子 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 教授 (80376813)
服部 明子 三重大学, 教育学部, 准教授 (50609485)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ASEAN / 日系企業 / 異文化間コミュニケーション / 談話分析 / 日本語研修プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
日系企業の海外進出増加に伴い、日本語非母語話者である現地従業員と日本人社員が日本語を用いてコミュニケーションを行う機会が増えている。しかし、そのようなビジネス場面で、実際にどのようなコミュニケーションが行われているのか、現地従業員と日本人社員のそれぞれがどのように会話に参与しているのかは十分に明らかになっていない。そこで本研究は、ASEAN日系企業を対象に、現地従業員と日本人社員の日本語によるコミュニケーションの特徴を会話分析・談話分析により明らかにする。さらに、その結果に基づき、現地従業員と日本人社員のそれぞれを対象とした、ビジネス場面における円滑な異文化間コミュニケーションのための教材・研修を開発することを目指す。 上記の目的を果たすために、〈調査I〉から〈調査IV〉の四つの調査を行なっている。これらの調査では、日本・マレーシア・タイ・ベトナムのそれぞれ5企業程度をデータ収集先とし、日本人社員と現地従業員が参加する会議場面や業務連絡場面、休憩時間のおしゃべりといった種類の相互行為を録音・録画し、会話分析・談話分析を行う。 2020年度は、11月に国際シンポジウムを開催した。企業内での異文化間コミュニケーション、ビジネス日本語の教育、外国出身従業員の宗教的実践といった職場をフィールドとする研究発表や意見交換が行われた。その中で、本研究課題に関連した5つの成果発表も行った。会議場面に特徴的に見られる表現(「確認します」「難しい」)を緒にどうコミュニケーションが円滑に進むのか・滞るのか、上司からの指示を受ける際の問題点は何かなどについて談話分析の結果を報告した。さらに、会議におけるコミュニケーター(通訳)の実践を取り上げ、職種特有のコミュニケーションの特徴についても論じた。また、日本語人材へのインタビュー調査から明らかになったコミュニケーションの困難さについても報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年度後半に続き、2020年度もコロナ禍において海外渡航が叶わず、当初予定していた日本語研修プログラムの試行ができなかった。また、研究代表者、分担者とも、本務校でのオンライン授業対応などによる負担が大きくなり、予定通りに研究を進めることが難しかった。私生活においても、緊急事態宣言が出されたことなどから、4月、5月、9月に研究代表者の子どもが利用していた保育所が閉所となったため、自宅で子どもの面倒を見る必要があり、研究時間が取れなかったという事情もある。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に海外渡航が叶わなかったために実施できなかった日本語研修プログラムの試行については、2021年度はオンライン会議システムを使用して実施する、または手軽な冊子の形にまとめることにより、実現したい。本務校でのオンライン授業対応などで研究時間を捻出しにくいという問題については、研究補助のアルバイトを雇用するなどして工夫したい。
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Causes of Carryover |
2020年度、研究代表者と分担者の2名で海外渡航し、考案した日本語研修を海外の日系企業内で試行する予定であったが、それがコロナ禍で実現しなかった。そのため、次年度使用額が生じた。実現しなかった日本語研修の試行は2021年度はオンライン会議システムを用いるか冊子の形にまとめる予定である。次年度使用額は、そのために必要な物品購入やアルバイト雇用に使用するつもりである。
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Research Products
(8 results)