2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K00728
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
高橋 朋子 近畿大学, グローバルエデュケーションセンター, 准教授 (30635165)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 夜間中学 / 外国人生徒 / 日本語教育 / キャリア形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の当初の予定は、それまでに行った参与観察やインタビューのデータを取りまとめ、考察を行って広く研究成果を発表することであった。 しかし、2020年2月頃よりCOVID19の影響を受け、夜間中学への入り込みや、学習者のインタビューの実施が困難になり、その影響は1年続いた。調査はほぼ実施できなかったと言える。そんな中で2019年に参与観察を行なった夜間中学を卒業し、特別入学枠で大阪府内の高校に進学したフィリピン人生徒の調査を行うことができた。高校での授業や日本語学習の様子を観察し、日本語教育担当の教員や教頭先生からも話を伺い、義務教育以降の外国人生徒への学習支援や日本語教育の実態と課題を調査することができた。 この調査結果が、この高校特有のものか、あるいは府内の他の高校にも共通性があるのか、など次年度への調査のヒントを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は、夜間中学での参与観察、教員や学習者へのインタビューをもとに夜間中学の日本語教育の課題を考察するものである。にもかかわらず、コロナ感染拡大の影響により、人との接触や学校での調査がほぼ不可能である事態が1年続き、調査を断念せざるを得なかった。研究の進捗状況は非常に遅れていると言える。また外国人生徒のwife状況やアプリへのアクセスの利便性を考慮すると、ZOOMなどによるインタビューも実施が難しく、対面以外の方法を模索したが順調に進めることはかなり困難であった。次年度は教員を通してのインタビュー、電話によるインタビューなども視野に入れ、調査計画を見直す予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ状況を考慮しながら、本年度は夜間中学への参与観察、教員及び学習者、卒業者へのインタビュー、卒業生が進学した高校への聞き取りを進める予定である。状況に応じて、参与観察の回数を減らしたり、対面インタビューが難しければ電話やメールでの聞き取りも考えている。 1年をかけてできる限り多くの調査を実施しながら、そのデータをまとめ、次年度の学会発表への準備をしたい。
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Causes of Carryover |
コロナにより調査計画を大幅に変更せざるを得ない状況にあった。具体的には学校での参与観察にかかる交通費、学会発表や日本の他府県における夜間中学との交流、セミナーや研究報告会への出席などにかかる費用がほぼない1年となったため、研究費を使用することがなかった。次年度は、コロナの状況にもよるが、状況が許す範囲で学校への参与観察を開始する、当該中学が難しい場合には近隣の別の中学にもアクセスする、対面のインタビューが難しい学習者にはZOOMやメール、電話によるインタビューなども考え、積極的にデータ収集を行いながら、成果をまとめ、発表していく予定である。
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