2018 Fiscal Year Research-status Report
大学における内容言語統合型学習(CLIL)による国際英語(EIL)教授法の開発
Project/Area Number |
18K00738
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
日野 信行 大阪大学, 言語文化研究科(言語文化専攻), 教授 (80165125)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | EIL / CLIL / ELF / EMI / World Englishes |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の大学の授業における国際英語 (EIL) のための内容言語統合型学習(CLIL)に関して、観察・省察・実践等を通じてここまでに開発した方法論を、教授法分析の古典的枠組みであるApproach・Method・Technique (Anthony, 1963) によって描出した。またそのためのカリキュラムや大学運営上の要因等について体系的に論じ、EIL(あるいはELF)のためのCLIL実施の環境整備に関して考察した。その成果は、“Designing CELFIL (content and ELF integrated learning) for EMI classes in higher education in Japan”というタイトルで、世界的に強い影響力を有する国際学術出版社 Routledgeの単行本の章として発表した (Hino, 2019)。 また、EILの理論的基盤に関して分析した"An EIL pioneer far ahead of his time"という論文を、この分野で世界的に最も高い権威を有する国際学術誌 World Englishes (Wiley)に発表した (Hino, 2018)。 さらに、「国際英語」研究の国際学会の最高位に位置するInternational Association for World Englshes (IAWE)の年次大会 (於 Ateneo de Manila University, フィリピン) で基調講演 (Hino, 2018)をつとめたことをはじめとして、PAAL(Pan-Pacific Association of Applied Linguistics)年次大会での基調講演 (Hino, 2018)、Asia TEFL年次大会 (於 University of Macau, マカオ)での Featured speaker (Hino, 2018)など、EILのためのCLILに関する内容を含む招待講演を権威ある国際学会においてつとめた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
観察・省察・実践のサイクルを中心とする教授法開発のプロセスが順調に進行しており、EILのためのCLILの教授法の方法論が徐々に具体化している。 ここまでの研究成果は、国際学術出版社 Routledgeの単行本の章 (Hino, 2019) や、国際学会 International Association for World Englishes (IAWE)の基調講演 (Hino, 2018)など、国際的な影響力を有する形で発表している。 今後公刊される成果としては、EILのためのCLILを Approach・Design・Procedure (Richards & Rodgers, 1982, 2014)の枠組みにより描出した論文が 国際学術出版社 Springer の単行本の章 (Hino and Oda, S.)として出版されることになっており、すでに原稿を提出済みである。また、EIL/ELFの教授法の言語文化的側面を分析した論文が国際学術出版社 Palgrave Macmillanの単行本の章 (Hino) として出版されることになっており、これもすでに原稿を提出済みである。 今後の学会口頭発表としては、本年の International Association for World Englishes (IAWE)年次大会(University of Limerick, アイルランド)においてEIL教授法研究のパラダイムに関する発表 (Hino and Oda, S.)を行うことがすでに決定している。
|
Strategy for Future Research Activity |
観察・省察・実践のサイクルを中心として研究を続け、EILのためのCLIL教授法の開発を継続していく。この中で、EMI (English-Medium Instruction)とCLILとの関係も明らかにしていく。 2019年度は、海外の大学において専門授業を英語でおこなう貴重なEMIの機会も与えられることになっており、EILのためのCLIL教授法の実践と検証を新たな視点から行う機会にしたいと考えている。 本研究の理論的基盤としてのEIL論のパラダイムに関する考察も、文献研究等により継続していく。 研究成果は、引き続き、国際学術誌や国際学会などを通じ、国内だけでなく国際的にも発信していく。現時点で発表 (Hino and Oda, S.)がすでに採択されている国際学会として、2019年6月に University of Limerick(アイルランド)において開催される International Association for World Englishes (IAWE)年次大会がある。
|
Causes of Carryover |
当初予定していたパソコンの購入について、新機種の動向を見ながら、1年遅らせることにしたため
|
Research Products
(10 results)