2021 Fiscal Year Research-status Report
大学における内容言語統合型学習(CLIL)による国際英語(EIL)教授法の開発
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18K00738
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
日野 信行 大阪大学, 言語文化研究科(言語文化専攻), 教授 (80165125)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | EIL / CLIL / ELF / EMI / World Englishes |
Outline of Annual Research Achievements |
QS Subject Focus Summit 2020(世界大学ランキングで知られるQSの主催による国際学会)で日野が行った基調講演を改訂して国際学術誌 Russian Journal of Linguisticsに論文 Hino(2021)として出版し、その中で、本科研研究において開発した 内容国際英語統合教授法CELFIL (Content and English as a Lingua Franca Integrated Learning)の理論的基盤と教育実践について論じた。国際英語(EIL/ELF)の言語的・文化的多様性や、国際英語のダイナミックな流動性に適応するためのコミュニケーション方略などを、CLILによって学ぶアプローチである。また、コロナ状況に対応したオンライン教育でのCELFILのあり方についても本論文で考察した。 また、イラン英語英文学教育学会国際大会(テヘラン、オンライン)での基調講演など、日野による国際学会1件(オンライン)、国内学会5件(オンライン4件、ハイブリッド1件)の招待講演においても本科研研究の成果を発表した。それらの講演においては、理論面ではCELFILに至る歴史的経緯、実践面ではCELFILにおける音声指導のモデルの問題などをはじめとして、理論と実践のさまざまな側面について論じた。 また、大阪大学の『言語文化共同研究プロジェクト』シリーズに発表した日野による2本の論考では、それぞれ、教育効果の向上を目指して国際英語の複数の理論的パラダイムを統合するための方法論、及びステレオタイプを回避しながら異文化理解の指導を行う教授法という、本科研研究における重要課題のうちの2件についての考察を展開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
長引くコロナ状況においても、主にオンラインによるデータ収集とその分析、理論的考察の深化、そして国際学会を含むオンライン学会における成果発表及びフィードバック等は積極的に継続しており、一定の研究成果を上げているが、一方、コロナのためにフィールドワーク等においてはかなり大きな制約を受け、また本研究の成果発表を計画していた当該分野の国際学会のうち主要な2つの学会がコロナのため最近2年間は大会の開催自体を中止し、またオンラインに移行した他学会においても対面学会特有の交流による研究の進展には欠けるなど、当初の計画と比較するとやはりコロナによる進捗の遅れは生じている現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナに起因する種々の規制が緩和されつつあり、またこの2年間にわたって大会が延期されていた国際英語分野の国際学会も開催の方向に変わったので、フィールドワーク・成果発表ともに積極的に進めていきたい。また、国際英語のCLILを意図した日野の授業におけるアクションリサーチも引き続き実施する。国際英語の教授法に関する理論的考察も継続する。 なお、この2年間のコロナ禍による研究の進捗のやむをえない遅れがあり、また、重要な成果発表の場として計画していた国際英語の専門学会である国際学会IAWE大会(アメリカ)が当研究期間終了後の2023年6月開催(対面)に延期されたという現状などもあるため、もし可能ならば、研究期間の1年延長を申請したいと考えている。
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Causes of Carryover |
当該年度は、計画していたフィールドワークの多くがコロナによる制約の継続のため実施できず、また成果発表を予定していた国際学会2件もやはりコロナ禍継続のため再延期となった等の状況により、当該年度における使用を計画していた旅費の多くを使用しない結果となった。 今後の使用計画であるが、コロナに起因する規制が緩和されつつあり、またいくつかの学会も開催(対面)の方向となったので、フィールドワーク及び対面学会での成果発表に旅費を使用したいと思う。また、文献を通しての国際英語の教授法の理論的考察も続けるため、書籍にも使用する。 なお、コロナによる研究の進捗のやむをえない遅れがあり、また、重要な成果発表の場として計画していた国際学会IAWE第25回大会(アメリカ)が、コロナのために、当研究期間終了後の2023年6月開催(対面)に延期されたという現状などもあるため、もし可能ならば、研究期間の1年延長を申請したいと考えている。
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Research Products
(9 results)