2020 Fiscal Year Research-status Report
複線径路等至性アプローチによる英語での授業へのプロセス探求:小中高比較と理論化
Project/Area Number |
18K00744
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
東矢 光代 琉球大学, 国際地域創造学部, 教授 (00295289)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大城 賢 琉球大学, 教育学部, 客員教授 (80280303)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 英語による授業 / 複線径路等至性アプローチ / 小中高連携 / 教師教育 / TEM |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は当初の予定で最終年度であり、今まで収集したデータを分析し、成果発表を試みた。(1)同時期に大学の教職課程を経て、異なる道筋により高校教員になった3名の英語教師のインタビューを、複線径路等至性アプローチによりTEM図を用いて分析し、留学経験の影響、現場教員対象の海外研修の影響について明らかにした。(2)元々沖縄県外から1990年代に琉球大学に来て、卒業後中高の教員になった3名の英語教師のインタビュー結果からは、当時の沖縄が持っていたアメリカの影響を受けた環境や、英語コミュニケーション能力が高い沖縄県出身の同級生との差異の認識が、彼らの英語力向上の努力や経験、さらに現在の教室での英語使用に影響を及ぼしていることが浮き彫りになった。以上2件は、国際学会でオンライン発表を行った。 前年度のインタビュー調査や結果の分析と合わせ、各教員には、大学での教職課程、教育実習、初任者研修での指導教員との出会い、現場に入ってからの研究授業参加や海外での研修プログラムなど、一定の共通した出来事が準備されているものの、英語による授業というゴールに向かう道筋において、各出来事の影響度は必ずしも重みづけが同じではないことがわかってきた。そして分析の過程において、ゴールに向かう複数の要因(出来事)の後押しが必要であること、現場での研修が多くの場合、肯定的な影響を与えていることが明らかになった。 研究全体の成果として見え始めた内容と研究概要を、Impact Journalに、先進的な研究の取り組みとして公表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウィルスの感染状況により、大学の授業がオンライン化されるなど、予想外の環境下に置かれたため、十分な研究時間が確保できなかった。さらに、成果発表のための学会・研究大会なども、予定通りに開催されない場合があり、発表のための出張も制限されたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
1年延長申請を行い、認めていただいたため、最終年度として、さらに研究成果の公表に努める。2020年度は2つの国際学会で口頭発表を行うことができたので、引き続き、国内外での学術研究大会で2~3件の口頭発表を試みる。また、コロナ禍で中断されていたフォローアップインタビューや不足しているデータ収集について、Zoomなどのツールを用いて実施していく。前年度は論文としての公刊が不十分であったため、論文執筆にも力を入れ、最終的な目標である小中高の校種特性による違いの明確化と、効果的な現場教員対象研修への提言について、まとめていきたい。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍により、計画していた国際学会への出張ができなくなり、旅費が執行できなかった。次年度も海外への出張は難しいと想定するので、旅費の代わりに英語論文の執筆・校閲・投稿費用に活用していく予定である。
|