2019 Fiscal Year Research-status Report
高等学校修了生の英文法習熟度調査及び研究成果の教授法への応用
Project/Area Number |
18K00747
|
Research Institution | Shizuoka University of Art and Culture |
Principal Investigator |
横田 秀樹 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (50440590)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白畑 知彦 静岡大学, 教育学部, 教授 (50206299)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 英文法 / 英語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は以下の4点である。① 日本語を母語とする英語学習者が、学習指導要領に記される英語の文法項目をどの程度身につけているのか、そして、どのような文法項目が学習困難となっているのか、その実態を生徒から言語データを収集することで実証的に明らかにする。② 学習者の英文法の習熟度を測る際に、学校で説明された明示的文法を知っているだけではなく、自動化されて使えるようになった暗黙的知識の定着度を調査する。③ 明らかにされた各英文法の難易度が、どのような外的要因によって影響されているか、またはされていないのかを調査し、言語理論、第二言語習得研究に基づき分析する。④ 本研究成果を口頭発表や出版物を通し広く公表する。 本研究2年目である2019年度は、高校修了生にあたる大学生が困難を感じるの文法項目に関して、昨年の研究を発展させ、wh主語疑問文及び主語の有生性の影響についての調査・分析・考察を行い、その成果を2つの国際学会で発表した。 また、同時に、文法項目の習熟度を広く調査をするため、Johnson & Newport (1989)、Johnson (1992)、白畑 (2004)を参考にして、高校修了生にあたる大学新入生100名を対象に、冠詞、名詞の複数形、動詞の型、動詞の過去形、代名詞の格、不変化詞の位置、助動詞、三人称単数現在、wh疑問文、Yes/No疑問文、語順、進行形の12種類の文法調査を行った。方法は、時間制限のある文法性判断及び誤り訂正の課題である。その集計・分析・結果の考察を行った上で、予備調査の結果に基づき、Johnson & Newport (1989)、Johnson (1992)に、DeKeyser (2000)及び前述のwh主語疑問文及び主語の有生性他の項目を加えて、本実験を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究2年目である2019年度は、前年度の研究成果に基づき、概ね、以下の研究を行った。 ① 習得に困難をともなう特定の文法項目(wh主語疑問文及英語の主語習得における有生性の影響)の調査とその成果の国際学会での発表。 ② より広範囲(冠詞、名詞の複数形、動詞の型、動詞の過去形、代名詞の格、不変化詞の位置、助動詞、三人称単数現在、wh疑問文、Yes/No疑問文、語順、進行形の12項目)の文法に関する予備調査を行った。 ③ 予備調査の結果に基づき、高校修了生にあたる大学生を対象に本実験(時間制限のある文法性判断及び誤り訂正)の課題を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、成果発表を予定していた学会の大会が相次いで延期になっていることから、2019年度の本実験の結果のデータ集計と分析を中心に行う予定である。具体的には以下のように研究を進めていく予定である。 ① 2019年度の本実験の結果のデータ集計と傾向分析 ② 本実験の習得傾向と先行研究との比較 ③ 先行研究では扱っていない文法項目の全体の中の位置づけの分析 ④ 特に習得が困難である文法項目に関して、詳細を探求するための研究計画の設定 (①、②、③の研究結果に関しては、来年度以降、広く公表していく予定である。)
|
Causes of Carryover |
年度末(2020年3月)の国際学会発表のための旅費に不足が出ることを想定し、前倒し請求(200,000円)を行ったが、実支出額が想定より下回ったため。
|
Research Products
(7 results)