2018 Fiscal Year Research-status Report
英語教育における高大連携-学校の序列化を超えた価値の創造
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18K00749
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Research Institution | Dokkyo University |
Principal Investigator |
岡田 圭子 獨協大学, 経済学部, 教授 (90316274)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 英語教育 / 高大連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
学習指導要領が改訂され、大学入試に大きな変化がもたらされている昨今、高等学校をめぐる状況は混沌としている。高校生の大半が英語が重要だと認識しているが、その半数近くが英語に対して苦手意識を持っている。さらに、自分が大人になった時には英語を使う必要がある世の中になっていると考える高校生が多い反面、実際に自分が英語を使って仕事をするイメージを持っている高校生は少ない。このように、英語学習がどこか「他人事」になってしまっている状況には大きな問題があると言わざるを得ない。本研究は、英語に苦手意識を持つ高校生が多く在籍する私立高等学校をフィールドとし、その進学コースの生徒(各学年約60名)と担当教員2名を中心として高大連携の立場から協働を試みるものである。高大の教員が協働し学び合うことにより、高校生が大学や社会生活につながる意欲を高めることのできる英語教育を実施し、教員が高い意識と教育力を持つことができるようになるのが目標である。優秀な高校生を早いうちから大学の現場に招き入れる高大連携とは異なる目標である。2018年度は研究の初年度であった。筆者の本務校と高等学校が距離的に離れていることから、訪問は週末中心の限定的なものとならざるを得ない。2ヶ月に1回の訪問時には、担当教員との打合せ、授業参観などを中心に実施し、訪問できない期間には、インターネットを通して詳細に意思疎通を行った。具体的には2018年度は2018年4月、6月、11月、2019年2月、3月の計5回訪問した。2018年7月にはオンラインによるアンケート調査第1回、2019年3月には第2回を実施した。第1回アンケートの結果は、2018年12月に行われた第10回日本リメディアル教育学会九州・沖縄支部大会で発表した。2019年度はこれら2回のアンケート結果をより詳細に分析し、さらに研究を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
おおむね順調ではあるが、2018年夏に筆者の家族が緊急入院(翌月に死去)したため、看病等の必要があり、研究及び研究発表の予定をキャンセルせざるを得ない状況があった。いろいろな状況が少し落ち着いた後で研究を再開した。アンケート調査などはおおむね予定していた時期に実施することができたが、当初2018年度に予定していたホームページ開設ができなかった。これは、予算の見積が当初の考えより高額であったことも原因の一つであった。2019年度はこれをどのように進めるか、改めて熟考したうえで進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、本務校から学外研修が認められたため、研究を加速する。2018年度は2ヶ月に1回だった高校訪問を毎月行い、高校の状況を把握し、教員と生徒とより強い信頼関係が築けるように努力する。そのうえで、2019年夏には第3回アンケート調査を実施し、高校生がどのようなサポートを必要としているかより詳細に把握する。 2019年後半には、教育関係の学会で発表し、論文を執筆することを目指す。研究結果を広く公開することにより、類似の問題を抱える高等学校などに情報提供ができることを目指す。
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Causes of Carryover |
2018年度に予定していたホームページの構築が高額のためできなかった。そのため、2019年度に再度見積を行い、可能と判断すれば構築する予定である。
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