2023 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms underlying life-long development of the ability for language learning and reflective thinking and the influence of an early onset of language learning on the development
Project/Area Number |
18K00751
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
矢田部 清美 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (90455410)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 学習 / 気づき / 推論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,母国語に加えてさらに新しい言語を学ぶという経験がそれ以降の新たな学びや汎用的な能力にどのような影響を与え得るのかという問いについて,複数の調査を進めた。いくつかの調査結果から,母国語に加えてさらに新しい言語を学ぶという経験が,言語的意識や気づきの差にあらわれうるということ,さらには今後学修の目標の達成に向けて能動的に計画と実行の監視や調整を行う可能性が示唆された。また,そうした母国語に加えてさらに新しい言語を学ぶという経験は,一般的認知能力や自己の新たな学びに向かう能力の伸長に影響を与えうるかについて検討した。その経験は新しい言語の知識やスキルの獲得を促すに留まらず,思考や行動様式そのものを変化させる可能性を調査結果で示した。本研究の当初の計画においては,複数の世代のヒトを対象とした生理学的実験を加えることにより生涯発達過程における言語能力の伸長が精神的活動や身体的活動にどのような影響を与えるかの指標も明らかにしていくというものであったが,新型コロナウイルス感染症予防対策を優先せざるを得ず,生理学的実験だけでなく長時間の行動科学的実験も施行が困難であった。しかしそうした問いの答えは限定されるものの行動科学的実験結果の分析で一部明らかにすることができた。また短時間で簡便な実験手法やデータ収集環境の構築を行うことができ,それらを用いた簡易的な生理学的実験の有用性も示すことができた。それ以外に,新型コロナウイルス感染症拡大期には,将来の知見につながるアセスメントポリシーの開発につながる研究も行い知見を得ることができた。本研究の結果は外国語教育だけでなく自己主導型学習概念の研究領域においても重要であると考えられた。
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