2020 Fiscal Year Research-status Report
授業内活動と自主学習を活性化する学習支援ツール群の中核となるデジタル教科書の開発
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18K00759
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
有富 智世 常葉大学, 外国語学部, 教授 (20410524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜久川 功 常葉大学, 社会環境学部, 准教授 (10440611)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | デジタル教科書 / デジタル教材 / eポートフォリオ / フランス語 / オンライン授業 / 学習支援 / アクティヴラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目標は、紙媒体の教科書(教材)・デジタル教材・eポートフォリオ・教育資料の提供(ダウンロード機能)からなる「教育ツール群」を束ねて中核を成す「デジタル教科書」の開発である。高等教育機関における学習活動において、授業内学習から授業外の自主学習まで視野に入れ、教員と学習者の双方を支援する利便性と汎用性を兼ね備えた“総合力のある教育ツール”の実現を目指している。 そこで、令和2年度は、予期せぬコロナ問題の発生により、予定していた授業実践に支障を来たしたが、オンライン授業に適合させた教科書・教材の活用方法や提供方法、既存の情報システムツールも用いた方策など、様々に模索することとなった。 その結果、対面授業・オンライン授業・ハイブリッド型・ハイフレックス型等、どのような授業形態でも効果的使用が見込めるよう、現在開発中のデジタル教科書の構想に、新たに「学習ガイド機能」を追加する構想を立てるに至った。「学習ガイド機能」を組み込むことにより、授業者各自のオリジナリティを反映した媒体にする案である。本機能における「学習ガイド」は、Microsoft等が提供する「Webベースの学習支援ツール」との紐づけを可能にし、「紐づけられたツールを用いてどのように学べばよいか」を学習者に明示できるWebページのイメージである。以上について、学会等で発表し、論文投稿も行って、積極的に開発を進めている。本研究による「デジタル教科書・教材モデル案」を具体化してく中で、授業実践を経て“質の高いデジタル教科書・デジタル教材”“学習支援教育ツール”の呈示を行いたいと考えてる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
4年間を予定した本研究の三年目(令和2年度)は、コロナ問題の発生により、渡仏(現地資料の収集)ならびに開発教材を用いた授業実践等を予定通りに実施することができなかった。しかしながら、大学でオンライン授業を行う中で、授業実践から新たな知見を得、本研究課題を発展的に見直し、研究課題を拡張する結果となった。そもそも本研究は、対面授業と自主学習を支援するデジタル教科書・教材開発をベースとしていた。だが、対面授業、オンライン授業、ハイブリッド型など、様々な授業形態に柔軟に対応可能な教材開発へと進展することが望ましいとの判断に至った。すでに、学会発表も行い、開発を進めているが、研究課題の拡大に伴う開発と作業工程の時間配分が問題である。研究分担者、研究協力者とも連携を図り、研究を推進していく予定でいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、対面授業・オンライン授業・ハイブリッド型・ハイフレックス型等、どのような授業形態でも効果的使用が見込める教材・教具・環境等が求められる時代となる。そこで,本年度の授業実践から得られた知見を現在開発中の研究課題に融合し、新たに「学習ガイド機能」を追加して検討を図る。これにより、デジタル教科書(教材)を、授業者各自のオリジナリティを反映した媒体にする。例えば,OneDrive上のファイルやフォルダ、Stream上で公開されている動画コンテンツ、Formsで作成した設問、TeamsにセットしたWeb会議やチャネル、Class Notebook内のノート等は、「リンク」によるアクセスが可能なため、授業者は必要に応じてこれらの「リンク」を「学習ガイド」内に配置して、デジタル教科書に集約できるようにする。「学習ガイド」には、学び方の解説も記載できるようにして、学習支援ツールの繋がりを学習者へ明示可能となるよう開発を進める。授業実践を重ね、実現に向けて研究遂行に努める。
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Causes of Carryover |
当初予定していた渡仏がコロナ発生のために中止となった。また、研究分担者および研究協力者と年に数回開催してきた会議もオンライン会議となり、余剰金が発生した。さらに、学会発表等もオンライン開催となったため、予定していた出張旅費は未使用となった。 以上のことから、令和2年度は支出が物品購入のみとなったため、予定使用額と大きな差が生まれた。しかし、次年度に有効に活用する予定でいる。
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Research Products
(7 results)