2021 Fiscal Year Research-status Report
授業内活動と自主学習を活性化する学習支援ツール群の中核となるデジタル教科書の開発
Project/Area Number |
18K00759
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
有富 智世 常葉大学, 外国語学部, 教授 (20410524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜久川 功 常葉大学, 社会環境学部, 准教授 (10440611)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | デジタル教科書 / デジタル教材 / eポートフォリオ / フランス語 / 学習支援システム / オンライン授業 / アクティブラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目標は、紙媒体の教科書(教材)・デジタル教材・eポートフォリオ・教育資料の提供(ダウンロード機能)からなる「教育ツール群」を束ねて中核を成す「デジタル教科書」の開発である。高等教育機関における学習活動において、授業内学習から授業外の自主学習まで視野に入れ、教員と学習者の双方を支援する利便性と汎用性を兼ね備えた“総合力のある教育ツール”の実現を目指している。 まず、令和2年度に検討を進めた「学習ガイド機能」は、令和3年度、完成に至り、マニュアル等も整備した。本「学習ガイド機能」は、MicrosoftやGoogle等が提供する「Webベースの学習支援ツール」との紐づけを可能にし、「紐づけられたツールを用いてどのように学べばよいか」を学習者に明示できるWebページの掲示板のようなものである。本機能を「デジタル教科書」や「デジタル教材」に組み込むことにより、授業者各自のオリジナリティを反映した教材に拡張することができる。 次に、令和3年度、これまで試作を重ねた「デジタル教科書(教員版)」の確定に至った。本デジタル教科書に「学習ガイド機能」を組み込み完成させた。これにより、対面授業・オンライン授業・ハイブリッド型・ハイフレックス型等、どのような授業形態でも効果的使用が見込める教材となった。本成果については、学会等で発表し、論文投稿も行って公表した。 令和4年度に、本「デジタル教科書(教員版)」の授業実践を重ね、令和5年度に一般提供できるよう精査を行う。「学習ガイド機能」については、令和4年度「デジタル教材」で使用できるよう搭載し、一般提供を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の四年目(令和3年度)は、本来であれば研究最終年度であったが、令和2年度のコロナ禍での資料収集、教材開発、授業実践等で支障を来したことが影響し、研究目標の達成には至らなかった。しかしながら、令和3年度に「学習ガイド機能」の開発、「デジタル教科書(教員版)」の確定に至るなど、研究遂行に務めた結果、研究期間を1年延長することで、令和4年度に研究目標の達成が見込めるレベルにまでは進められた。研究課題の拡大に伴う開発と作業工程の時間配分が問題であるが、研究分担者、研究協力者とも連携を図り、研究を推進していく予定でいる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度に確定した「デジタル教科書(教員版)」を用いて、対面授業・オンライン授業等で授業実践を行いながら、「デジタル教科書(学生版)」の確定を目指す。また、令和4年度に一般提供を開始した「学習ガイド機能」についてアンケート調査を実施して精査を行い、授業者(教員)各自のオリジナリティを反映した教材としての有効性を検証する。例えば,OneDrive上のファイルやフォルダ、Stream上で公開されている動画コンテンツ、Formsで作成した設問、TeamsにセットしたWeb会議やチャネル、ClassNotebook内のノート等との「リンク」によるアクセスに問題がないか、授業者が必要に応じてこれらの「リンク」を「学習ガイド」内に配置して、デジタル教科書に集約できるかを確認する。さらに、「デジタル教科書(教員版)」や「学習ガイド機能」のマニュアルについてもより明解なものとなるよう確定する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた渡仏による資料収集がコロナ禍のために中止となった。また、研究分担者および研究協力者と年に数回開催してきた会議もオンライン会議となり、研究経費において余剰金が発生した。令和3年度の学会発表等もオンライン開催となったため、予定していた出張旅費は未使用となった。令和4年度は、主に「デジタル教科書(教員版)」の完成版、「デジタル教科書(学生版)」の確定版のための制作費、さらに、「デジタル教科書」と紐づける「デジタル教材」の開発費に充当し、有効に活用する予定でいる。
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