2019 Fiscal Year Research-status Report
CLIL型短期留学のインパクトに関する縦断的かつ横断的調査
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18K00761
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
鹿野 緑 南山大学, 国際教養学部, 教授 (30410757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 敬和 南山大学, 国際教養学部, 教授 (00454405)
篭橋 一輝 南山大学, 国際教養学部, 准教授 (60645927)
B・J Deacon 南山大学, 国際教養学部, 講師 (10454406)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | グローバル人材育成 / 海外体験インパクト / CLIL型短期留学プログラム / 地球市民としての意識 |
Outline of Annual Research Achievements |
グローバル人材育成を目的としたCLIL型短期留学(専門科目内容と英語学習を 統合した留学プログラム)に参加した日本人大学生英語学習者が、いわゆる語 学留学とは異なるアカデミックなコンテクストにおける短期留学体験から、どのようなインパクト (効果と影響)を受けるか、またインパクトがどう変化するか調査することを目的とした研究である。大学生を短期間海外大学に派遣し、アクティブラーニング手法で専門科目を学ぶ短期イマージョン教育を「CLIL型短期留学」と位置づけ、コンテントを重視したCLIL型短期留学の先駆的事例研究として、日本の大学の留学制度の可能性とCLIL教育について示唆を提供することを意図 している。 具体的には、留学期間中の参加者の文化受容・意識変化、英語の使用と伸長、英語で行うアカデミックな学び(CLIL)に対する彼らの姿勢・受け止め方の変 化、情意面での変化、帰属意識などのグローバル・シティズンシップに関する意識、将来のキャリアへ意識などに注目してデータを収集・分析している。 二年目である2019年度には、「CLIL、異文化、グローバル・シティズンシップ」の3つの領域にまたがる理論的枠組みについて論文にまとめた。また、海外プログラム策定・実施者へのインタビューの結果に基づき、資料をまとめているところである。また、2019年度予備調査データ(107名)の分析は、被験 者107名; 60項目からなる質問紙から得られたデータを事前・事後比較の分析等を行い終了した。さらに16名の半構造的インタビュー調査から得られた約600分のテキストデータをM―GTAの手法で分析を行ない、フォーカス・ジャーナル・ライティングと全員の質問 紙自由記述についても分析を行った。それらを2020年、2021年にかけて発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由
2019年度は、主に次の二つの段階を行なった。【予備調査データ分析】2018年度の海外留学参加者を対象として収集したデータ (1)60項目からなる質問紙調査を、出発前の 2018年6月初旬(T1)と帰国後の2018年7月末(T2)に実施し、107名から回答を得たものを、事前事後比較等の分析を行った。フォローアップ(T3)をプログラム1年後に行う計画が含まれていたが、予備調査では省略した。 (2)16名を対象に行なったインタビュー・データをテープ起こし、M-GTA手法を用いて分析した。(3) 留学中に日記をつけてもらうフォーカス・ジャーナル・ライティング6名分を転写し、KH-Coderを用いて分析した。【本調査データ収集】 予備調査分析をもとに質問項目等を修正し、予定通り、2019年度海外留学参加者を対象としてデータ収集を行ない終了した。T1、T2に92名の協力があった。質問紙調査、インタビュー(前後)、フォーカス・ジャーナル・ライティングのテキスト・データを得た。T3のフォローは2020年度に行なう。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は調査最終年度として予定しているのは、予備調査・本調査の結果をまとめて、明確な形として発表・公刊していくことである。
また、さらに新たな段階として2020年度短期留学参加者からデータをとることを想定していた。しかし、世界的なCOVID-19感染の広がりでプログラムが中止となったため、新たなデータ収集は2020年度は行わないこととした。2020国際応用言語学学会(AILA)での発表要旨が採択されたが、同様の理由で2021年度へ延期となった。
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Causes of Carryover |
予定していた海外出張を変更し、次年度に回したため。
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